――いいじゃないか、スクール水着。 スクール水着
ビキニなんかで誘惑する時代は終わったのだよ、
今はスクール水着の時代さ!
「――で、スクール水着なんすね。」
「うん。ごめん、嘘。
ビキニ着たいのは山々なんだけど、最近3キロ近く太ったからさ…」
「ふーん…」
そういって、私をチラッと見てから
はぁっとため息をつく財前。
…なんだい、そのため息。
言いたいことがあるならハッキリ言えよ…!
「……何?その目。」
「いや…せっかくのデートやっていうんに…花子さんビキニやないから萎えて」
「……いや、でも…さ」
プールでビキニ着てる子って
たいていスタイルがいい子。
――私なんて、そんな子達と比にならないほどの寸胴だし…。
なんていうか、
好きな人には…どうしても恥かかせたくなかったっていうかさ。
「……ごめ「隙ありや!」っぎゃあああああ!」
謝ろうとした瞬間だった――。
急に財前が体当たりをしてきたせいで、
私はプールへと飛び込んでしまう。
「………あほー!何するんじゃーい!」
「っはは。せやかて、花子さんしけた顔してたもんで」
そういうと、
財前もひょいと身軽にプールへ飛び込んできた。
…何か、ほとんど裸の状態の私達ってエロい。
えろすぎるよ。
「……花子さん、今から水泳対決しません?」
「え?嫌だけど。」
「はい決定や!よーい、どん!」
そういって、クロールで向こう岸へと泳ぎだす財前。
って、お前なぁぁぁぁあぁぁ!
「(手加減なしかよ…)!」
そんなことを思いながら、私は財前の後を追うようにして泳ぎだした。
.
..
...
「はぁ…疲れたぁ」
「俺もっすわ…」
そういって、くたくたになるまで遊びつくした私達。
…なんかもう本当つかれたよ。
たくさん泳いだし遊んだしもぐりまくったし、沈められかけたし。
挙句の果てには、溺れそうになったからね。私。
「じゃあ、そろそろ上がろうか」
「そうっすね」
そういって、私が岸に上がろうとした瞬間だった――。
ガシッ。
財前に腕を掴まれたかと思えば、
水中の中へと沈められていた。
って、またかー…!
く、苦し…!息が続かない…!
そう思った時、
私の唇に押し当てられたもの。
「(って、このタイミングでチュー?!)」
水中で誰も見ていないことをいいことに、
乙女の唇をうばった財前。
――酸素を求めた私の口の中へ、
財前の酸素を入れられた。
ガバッ!
「はぁ…!はぁ、財、ぜ…」
「……花子さんおもろ。
次はビキニがいいっすわ。俺。」
そういって――財前が頬を赤くした私を見て、意地悪く笑ったのだった。
「(こいつ性格悪い!)」
「(ワインレッドのビキニ着てほしいなぁ。)」