何故だ。

何故こうなった…!

ゴスロリ


「………花子先輩」

「なんだね、リョーマ氏。」

その喋り方はいいから。っていうか…俺たち、」

そういって顔を見合わせる。

「「何故ゴスロリなのさ!!」」

「はい、二人ともこっち向いて〜!」

そういって、カメラマンの人が私達に手をふった。



――かれこれ、30分前。

「花子先輩、暑いっす。」

「暑いねえ。」

「ファンタグレープ。」

買えって?買ってこいってか?

そんなふうにもめながらも、
私達ははれての恋人同士で初デート…の、はずだった。


「ねぇねぇ、君達!可愛いね!」

「……っは?」

「写真とらせてよ!すぐそこで無料でやってるんだけどさ、
 すぐ終わるから!」

そういって、男の人に腕をひっぱられ
無理矢理どこかわけのわからないところへリョーマと別々のところにつっこまれ――。

私これから売られるのかなあ。

なんて考えていたら、
わけのわからない女の人に腕をひっぱられ、
ロリータのふりふりのピンクのドレスを着せられ、
メイクをさせられ――。

さらには、髪まで見事に巻かれたのだった。


「っぎゃー!いやー!
 売らないで!私まだ処女!

「……え?」

そんなふうにきょとんとした女の人につれられてついた場所は――。



「………。」

「………。」

そこには黒いドレスをきた髪の毛を黒く巻いた女の人――。
じゃなくて、ロリータの格好をして女装をしたリョーマがいた。

きゃ…きゃわいい!

カメラ!カメラどこじゃああああ!


「いいねいいねえ、二人とも!」







そうして、今にいたる。


「……俺、女装なんて――」

「GJ。」

先輩、怒るっすよ。

そういって、ぷんっと頬を膨らませるリョーマ。
め…めっちゃ可愛い!

怒っても怖くないんだからね!


「リョーマ女になればいいのにね。」

じゃあ先輩はつけるもんつければいいじゃないっすか。

乙女の前で何下ネタ言ってんだぁぁっぁぁああ!馬鹿野郎!

そういって、靴の踏み合いをする。

ぎゅむっ。

「――あいだっ!」

って、この靴…かなりの厚底でござるよ。
靴っていうか、ブーツだからね。

しかもかかと10cmくらいはあるんじゃないかな。

…やだよ、今すぐ脱ぎたい。


「え…えーっと…撮っても、いいかな?」

そういって、カメラマンの人がニッコリと笑う。




「(リョーマ、ここは大人しくとるしかないみたいよ。)」

「(…………うぃーっす。)」



パシャッ!


.


..


...




「何故だ。何故こうなった…!」

あれ?
同じ台詞前も言ったことあるような気が。


「これ、花子だよね。
 隣にいる子超美人!」

そういって、ニヤニヤしながら笑いかけてくる友達。




――なんと、
私達の写真はゴスロリの雑誌の『みんなの写真コーナー』というところに投稿されていたのだ。
しかも一番大きく。


「今すぐ散れ。

「っもー、花子だって可愛いって!」

そういって、友達が私の肩をぽんっと叩いた。
う…うぜぇ…!


「………ねぇ。」

「ん?」

「この写真切り抜いて…い?」

そういうと、友達が少しいやそうな顔をしたが
「仕方ないなー」といって写真を切り取って私にくれた。


おぉぉぉおおお!

りょ…リョーマとの2ショット!



「(これは家宝にしよう!)」

そう思いながら、私はその写真を筆箱の中に入れて閉じたのだった…。







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