「…よし、頑張るぞ私!」

――やってきたよ、四天宝寺!
これから一年頑張るぞー!おー!

3年2組の転校生


「立海大附属からやってきた田中花子です。
 みなさんよろしくお願いします」

そういうと、拍手が沸き起こった。
…あぁ、よかった。
とりあえず、初日は大丈夫だ…!

「じゃあ、田中。席は一番後ろの端だからな」

担任の先生にそういわれ、
私は指示されたとおりにその席へ座ろう――と思ったのだが。


……うっ!
何か、隣の人物が眩しい…!

「(なんだあれ、無我の境地だよ、あの神々しさ。)」

無意味なほど目立ってるこの銀髪の少年。
――あ、目あった。

私が席に座ると、彼がニッコリと微笑みながら喋りかけてくる。

「……あんたが、花子っていう子えんな。」

「……え、そうだけど…。
 誰?」

「俺は男子テニス部のマネージャーの白石蔵ノ介や。
 蔵ってよんでくれて、かまわんで」

そういって、ウインクをしてくる。
――さむっ。

やだなあ、この人。

絶対自分のこと好きだよ、この人。

「……あ、よろしく」

「あ、幸村君には聞いとるで。話しは」

「あ…あぁー」

マネージャーの件かあ。

「ふつつか者ですが、よろしくお願いしm「ボス猿っていうあだ名やったらしいな」

幸村あんにゃろぉおおおおおぉぉおっ!

そういって、気がつけば席から立ち上がってた私。

「田中、席に座れ」

「……はい。」

先生にそういわれると、
周りがクスクスと笑った。

…幸村め!ボス猿の話しまですんなっつーの!


「…何でボス猿っていわれとったん?」

「……まぁ、うん。
 女子達につけられたんだよ」

「……え?」

――嫌な思い出だなぁ。
ここらへん、ちょっとシリアスなんだよね。

「…私、立海のマネージャーやってたんだけどさ。
 物凄くみんな人気でね、
 マネージャーに私なんて不釣合いだなんて凄い批判されてた。」

「………。」

「……で、その時の女子達がつけてきたあだ名が『ボス猿』だった。
 私、こういう性格だからさ。
 結構クラスではしきってたほうだったの。

 だから、『ボス』。

 それでもって、猿みたいに下品・乱暴・脳みそがないとかで
 『猿』。あわせて、『ボス猿』って言われてたんだよね」

そういって、へらっと笑っておいた。
…今では笑えるあだ名なんだけどさ、昔は笑えなかったよなあ。

――勝手にそんなあだ名つけられて、
批判されて。

まあ…今ではいい思い出。



「……何や、偉い明るい性格しとるな」

「あっはは。根性だけはすわってるからね」

これはガチで自慢できるからね…!
根性だけは、人一倍あるから…!

「……っぷ。ええなあ、そういう性格しとる子。
 惚れてもうて、いい?」

遠慮します。

「えぇ!何でやー…!」

うーん、確かにかっこいいけどさ。
何かこの人、普通じゃない気がするもん。

よく分かんないけど。





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