――掃除、っていっても
特に汚いわけじゃないんだよね。部室。

ロッカー掃除


以外にも、綺麗にされている部室。
――なんか、和風って感じでいいよね。

落ち着くなあ。

これで畳とお茶があれば最高なんだけどなあ。



「……何してんすか。」

「……ん?って、あ――君は。」

超不良少年だ。
っていうか、ピアス開けすぎだし。

お前まだ中2だろ?


――そういえば、蔵が言ってたなあ。
"次期キャプテンは財前に決まりやわ。"ってさ。

「やあ、不良少年。
 何をしにきたの?」

「――見張り番。」

帰れ。
 っていうか、練習はどうしたの?」

「今シングルスの試合中で、
 人数が多くて俺できなかったんすよ。

 んで、暇やから来ました」

――なんだ、こいつ。
ちょっと可愛いなあ、お前。


「掃除手伝ってくれるの?」

まさか。
 マネージャーなったなら、マネージャーの仕事しろっちゅー話しっすわ」

うっわー…。
生意気な口叩きやがって!

「くらえ、この不良やろー!」

「え、ちょ、何し――」

私は適当に近くにあったお菓子の空箱を、
財前に向かって投げた。

それを、ひょいっと避ける財前。


パコッ!

空箱は、見事に誰かのロッカーに当たり――。
そして、その衝動で、誰かのロッカーがぎぃぃっと音をたてて開いた。


「ちょ…!お菓子の空箱つよっ!」

「……いいんすか?
 このロッカー、謙也さんのっすよ」

ふーん…謙也かあ。
あ、でもちょっと気になるかも。

「……ちょっとだけ、ちょっとだけ――」

そういって、覗いて私は後悔をした。


――バタンッ。



「…………。見た?」

「………見ました」

「…思春期真っ盛りだから仕方ないんだけどさ」

「………えぇ。」

「でもあれ、エロ本だったよね。

「先輩、言わんといて下さい。
 っていうか、男ならしゃーないんじゃないっすか?」

そういって、余裕ぶってる財前。
…っていうことは、もしかして財前も――?!

「ピッピーッ!
 そこのエロ本を所持している財前君、財前君。
 今すぐエロ本をよこしなさい。

そのエロ本どうする気っすか。

「うぬぬ…!」

いや、ノリで言ってみたんだけど
普通につっこまれたらなんとも言えなくなる。

「…まさか、先輩自分がよむために――?」

「……っは。
 違いますけど。何言ってるの、あんた。」

「っわー、やらしー…!
 犯されるー…!」

そういって、きゃーきゃー騒ぐ財前。

U ZA I ★


「こんの、財前めぇぇっぇええ!
 いいよ、君のロッカー見てやるからいいよ。」

「別にいいっすけど、しょーもないっすよ」

そういって、「ほらっ」とかいってロッカーを開けて私に見せてくる財前。
…ぐぬぬ!
本当にしょーもない。

…謙也みたいにエロ本入れといてくれたら、
ネタになるのになあ。

っていうか、心なしか
謙也のロッカーの中消しゴムと消しカスの山なんだけど。


きったな…。


- 10 -


34
[*←] | [→#]


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -