「………あ、あの!」

そう話しかけると、
彼は――緑色のバンダナをした少年は、ビックリしたような瞳で私を見た。

「お…女なんて、聞いてないで!白石!」
そういって、酷く怯えたような顔をして――蔵を睨みつけた。

王子様は女が怖い


「え?何のことやろな。」

「って、何とぼけとんねん!
 ふ…ふざけんなや、お前!」

そういって、
今にも蔵に飛び掛りそうなバンダナの男の子。

……って、あれ。

この嫌な雰囲気って…もしかして、私のせい?


超ごっつおもろい猿みたいなマネージャーや言うたよな?!」

そのまんまやん。
 ほら、見てみ、ユウジ。

 これのどこが女や?」

「お…女やんか!
 髪の毛長いところとか、ちょっと肌がぷにっとしたところとか…。

 スカート履いとるしさ…!」

そういって、わなわなと震えだすバンダナの男の子。
――あれ、私すごい批判されてるよーな…。

っていうか、

私の知っているバンダナの男の子はいずこへ…?



「あ…あの……」

「……っ、なんやねん…。」

「………。」

凄い怖い顔で睨んでくるし…。
あ、私初日から嫌われちゃったけいなのかなあ。

…しかも、ずっと捜していた人に嫌われちゃうなんて

相当ついてないよね、私。



「……私と、出会ったこと、あるよね」

「……………。」

そういうと、さっと視線をそらされる。
――重い沈黙。

返事が、返ってこない。

…そっか。

返事したくないほど、私のことが嫌いなんだね。



――胸が痛い。
あぁ、馬鹿野郎、私。


『お…女やんか!
 髪の毛長いところとか、ちょっと肌がぷにっとしたところとか…。

 スカート履いとるしさ…!』

その言葉が、私の頭の中でリピートした。
――女だから、ダメなの?

女だから…私とは、喋らないの?



「――……っ」


ガチャッ!

バタンッ!

私は、部室から逃げるようにして飛び出した。



「――花子!」

後ろで、蔵が私の名前を呼ぶ声がしたが、
私はそれに振り返りはしなかった…。



 

- 6 -


34
[*←] | [→#]


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -