結局、ハンバーグの具材にはチーズをいれることにした。
ハンバーグの中からチーズがでてきてとろーり…なんて、
考えただけでおいしそうだもんね!

「よっしゃ、頑張るぞー!」

そういって、私は調理台の前で腕まくりをして、
包丁を握った。

3人仲良し


「花子ー」

リビングのほうから蔵が私の名前を呼ぶ声が聞こえた。

「んー?」

「ハンバーグ焦がしたらあかんで」

「いや、知ってるけど。あんたに言われなくても焦がしませんけど。」

「煮てもダメやで」

どうやって煮るんだよ。意味わかんないよ、
 私の邪魔したいだけでしょ、絶対。」

「ならもうええわー、俺丸井君と一緒にDVD見るから」

「えろっちぃDVDはダメだからねー」

そういうと、
蔵の返事が聞こえなくなった。

…そこで無視かよ!

ちょっといらっとしたが、
ハンバーグを作ることに専念しなくちゃね…!

ガチャッ。

ふと、キッチンのドアが開く音がして私は振り返った。


「………あ、ユウジ。」

「……お、おん。
 あのな…深い意味はないんやで!
 これっぽっちもないんやけど!

 ……俺、料理作るの…好きやし、手伝ったろ思って…。」

っわー。
ユウジ抱きしめたい。

今この家に蔵とかブン太とかいなかったら、
私何してたか分からないよ…!

それぐらいユウジが可愛く見えた。

…っていうか、ユウジって料理できるんだ。
草食系男子ってやつなのかな?

「ありがたいわ!
 じゃあ人参切ってくれる?」

「……おん!」

そういって、ユウジにまな板と包丁を渡す。
――隣あって、一緒に一緒の料理を作る。

あー…何か、新婚さんみたいだなあ。

トン。トン。トン。

一定のリズムで聞こえてくる包丁の音。
――落ち着くなあ。

って、あ。
私玉ネギ切らなきゃ。


トン。トン。トン。


「………っ」

あ、やばい。
玉ネギめちゃくちゃ目にしみる…!

い、いたたたた!

あー、涙が…。

「大丈夫か…!」

そういって、私の異常に気付いたユウジが私の心配をしてくれる。


ガチャッ!


「どうしたんや!」「どうした?!」

そういって、慌てた2人も駆けつけてきた。
お前ら…いいやつだな、おい!

なんて思ったけど、
玉ネギごときで泣いてるってアホ臭いよね。

「いや…普通に玉ネギが目にしみっただけだから気にしないでよ。」

「なんや…今ええところやったんに、
 花子のせいで見逃してもうたわー」

そういって、愚痴愚痴いいながら蔵が帰って行く。
もうちょっといたわってくれてもいいのに。

「――……。」

「……?ブン太?」

涙を流しているからぼんやりとしているが、
ブン太が私を見て突っ立っていることはなんとなくだが分かった。


「……ぁ。何でもねぇよ、じゃ…じゃあ俺も戻るから!」

そういって、ブン太は慌てた様子でリビングへ駆けていった。
…?変なブン太。


「あんま目こすりすぎたらあかんで。
 玉ネギは事前に冷やしとくなり、
 換気するなり――…ってしといたほうが目に染みらんらしいけど…」

「あ、そうなんだ。
 ありがと、ユウジ!」

私は目を洗いながらユウジにお礼を言った。
……ユウジ本当いいやつ!





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