「っということで、今日は有意義な時間を過ごそう。」

堅苦しい真田の言葉によって、
始まったこの合同練習試合――。

あー、ブン太だ!
仁王…今日はばけてないよね。

そんなことを思いながら、私はチラリと氷帝や青春学園のほうも見てみる。

………!
何だこのイケメン集団…!

今自分は凄く来てはいけないところに来た気分だ。

練習試合4


「ごめん、ちょっと私抜けるね」

「どこ行くん?」

そういって蔵が私の顔をじっと見つめていた。

「え…?立海…の、ところ。」

「……ふーん、そっか。はよ戻ってこんだら、
 はだか踊りやってもらうで。

すぐに帰ってきます。

そういい残して、私は立海のほうへと駆けて行ったのだった――。




「あ、花子先輩!」

「よっす、赤也!ってお前はさっき会ったんだけどね。」

そういって、あははと笑う。
――懐かしい顔ぶればっかり。

みんな、全然かわってないなぁ。

あっ、まだ1ヵ月も経ってないなら当たり前か。


「なぁなぁ、花子。今日のことなんだけどよ、
 練習試合終わったら校門の前で待ち合わせでいいか?」

「ん!おっけーだよ!」

そうだ、今日はブン太の家でお泊り会。
といっても、そんなみんなが思うような
いやらしいことは一切ないけどね。

だって、ブン太だよ。ありえないでしょ。


「……やぁ、花子。
 相変わらずボス猿みたいな顔しているね。

「言うなっつーの!
 …っていうか、蔵に言ったなお前!

「誰に口聞いてるか分かってる?」

――っと、その瞬間
幸村の背後に黒めいた何かが見えた気がした。

…っひぃ!

生命の危険を感じる!


「――ごめんごめん、嘘だよ!
 あ、真田は相変わらずだね。」

「当たり前だ。副部長だからな。」

……ん?
微妙に話しがかみ合ってない?

って思ったけど、真田は少し天然が入ってるから仕方ないか。


「…まあ、仁王は相変わらず銀髪なんだね。」

「金にしてほしいんか?」

「ん?銀のままでいんじゃない?」

まあ――仁王は顔がいいから金髪も似合うんだろうけどね。
って、中学生で金髪っていいのかよ。
(あ、四天宝寺にも言えることか。)


「ジャッカル頭てっかてか!」

「まあ…うん。」

「って、泣いてる?ジャッカル泣いてる?

髪の毛ないこと気にしてたんだね…!
何だか悪いことした気分。


「花子さん、学校のほうはどうなんですか?」

「んー、学校?楽しいよ」

「…そうですか。なら安心しました」

そういって、ネクタイの帯を締めてニッコリと笑う柳生。
…うわぁ、相変わらずジェントルマンだ!
紳士だよ、紳士!

「………黒。」

「………参謀。
 こっそり呟くのやめようか。

っていうか、何で下着の色分かるんだよ…!
参謀すげぇ。
ガチですげぇ。


「…って、みんなと戯れてる場合じゃなかった!
 そうだ、今日はみんなに言いたいことがあったんだよ!」

「……ふふ。
 元マネージャーであるとはいえ、俺たちのマネージャーは花子だけだからね。

 みんな…心して聞こうか。」

な…何だ、幸村。
プレッシャーを与えないでくれよ…!



「…あの、さ。
 試合は勝つことだけが…試合じゃないんだよ。」

よし、よく言った!自分…!





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