皆さん、こんにちは。
さて、私は今"私は馬鹿です"という紙を背中にはりながら座禅をしております。
何か悟り開けそう。
私は馬鹿です。
――結局。
ユウジのロッカーを開けようとするとユウジの名前を叫ぶ財前と取っ組み合いをしていると蔵が現れ。「お前ら、何しとるん?」と満面の笑みをこちらに向けて、最終的には今テニス部のベンチで正座して悟りを開いています。
あぁ、足痛い。
そろそろ限界…。
「先輩、正座できんとかダサいっすわ。」
「う…うるせぇ!黙れこの不良少ね「花子?」…はい、悟り開いています。ごめんなさい。」
地獄耳の蔵がこちらの様子に気付いて、
ニッコリと微笑んできた。
……っぞ!
身震いが…!
っていうか、何で財前と一緒に悟り開かなくちゃいけないんだ…!
悪いのは財前のくせに!
「(あーぁ、部活初日から悟りってどうなんだろ。これ。)」
そんなことを思いながらあちこちの試合を観戦してみる。
――わぁ。謙也足早いなぁ。
「俺が浪速のスピードスターやっちゅーねん!」
………。
自分で足早い言ってることが残念だよね。うん。
「小春〜!」
と、陽気な声が聞こえ――私は思わずそちらの試合に目を向けた。
「はいはい、ら〜ぶっ!」
そういって、小春が可愛らしくボールを打つ。
おぉー。
ユウジ&小春VS小石川&師範ペアかぁ。
「……ほんなら、いきますで――」
そういって、師範が思い切り構えの体制をとった時だった――。
「アルミ缶の上にあるミカン!」
シーン。
ユウジの放った親父ギャグが、見事にドン滑りした。
「………っぶ…!」
と思ったのだが、
師範が後ろを向いておなかを抱えて大笑いしだす。
え?
師範?
「わーい、やったな〜小春♪」
「うんうん!でかしたわ、ユウ君!」
そういって、抱きつきあう二人。
…あーいいなぁ。
私もユウジに抱きつかれたいなぁ。
「"羨ましいなぁ。"」
「………!」
「思いましたやろ、今」
そういって、財前が横でクスリと笑う。
こ…こいつ!
私の気持ち知っててそんなこといいやがって――…!
「ちょ、財前お前さ、こっちこ「花子?」はい、ごめんなさい。」
そういって、私はお口をチャックする。
――仏の顔も三度までだよね!
三回目は、さすがの蔵もぶちぎれてかかと落とししてくるよ、絶対。