「こ…ここ、あけても…いいよね?」

ユウジさーん

「っぎゃぁっぁぁぁ!
 いうな、言うな財前んんん!」

そういって、財前の口を手でお塞いだ。

ロッカー掃除2


「先輩きもいっすわ。」

「う…うるさい!」

「……何でそんなに、ユウジさんにこだわるんすか」

そういって、じっと見てくる財前。


「……財前。
 あんた、私のこと――「それ以上言ったら殴りますようっそ!うっそぴょーん!

…っでも、ユウジとの出会いを話すと
正直めんどくさいんだよね。

短縮して話すか。

切って貼り付けるてきな感じでね!


階段で落ちそうになった私を助けてくれた命の恩人。
 以上。」

「……ふーん。」

何とか伝わったみたい!
っほ!よかっ「ユウジさんのこと好きなんすね。」

「――?!?!?!」

すすすすすすす…好きといわれれば、
むしろ大好きだよ。

まあ、女性恐怖症なのはこれから克服していくとして――。

私の命の恩人だし、
何だかんだで優しいところもあるしさ。

…私と初めて出会った時のユウジに戻れるように、
私も協力してあげなくちゃなぁ、って思うし。



「一目ぼれってやつ、っすか」

「ん。そうだよ。」

「……自信あるんすね」

そういう財前に、「あったりまえじゃん!」といってガッツポーズをしてみせる。

やっと掴んだこのチャンス!
絶対絶対離さないぞ――!

胸元に感じるひんやりとした感触。

――ブン太がくれた、ハートのネックレス。
これがあるから、何でも頑張れる気がする。


…ブン太が、遠くから『頑張れ!』って励ましてくれているようで――。

私は、とても心強いと思えた。




「……はぁ、それより掃除しなくていいんすか。」

そういって、呆れ顔の財前。
話し切り出したお前が何でそんなふてくされてんのさ。

って思ったけどあえて突っ込まないでおこう。


「掃除するよ。
 ――っていうことで、ユウジのロッカー失礼しまー「ユウジさーん財前お前ちょ、こっちこいやぁぁっぁああ!



ユウジのロッカーを開けようとするたんびに、
ユウジをよぼうとする財前の対応に追われ――。

結局、私が部室を掃除することはなかった。





- 11 -


34
[*←] | [→#]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -