忍足謙也に<ツッコミ>禁止令
「なんでやねん!」
バシッ。
「いった!ちょ、私乙女?!
乙女だよ、馬鹿やろ…!」
そういうが、謙也は気がつけば師範と戯れていた。
あー。
つっこむだけつっこんで、放置プレイか。
あ、何か今の言葉エロっ。
「っもー、怒った。私は怒った。」
「何がやねん。」
「謙也に命ずる!
――今日からツッコミ禁止だ…!」
そういって、人差し指をびしっとさしてやった。
「ふーん。あっそ。」
「…ってつめた!謙也、冷たいよー…!」
「どこがやねんっ♪」
そういって、ばしっと再度頭を叩かれた。
こ、こいつ…!
「てんめ、師範の頭叩けよ!」
「これ以上師範の頭ハゲさせてどないすんねん?!」
「…………。」
「って、あぁっぁぁ?!
師範泣いてるじゃん!ちょ、謙也謝りなさいよ!」
「お…俺かいや?!
花子だって、師範のことハゲ思っとったやろー?!」
だから、師範の目の前で『ハゲ』は禁止用語なのに…!
ほ、ほら!
師範、涙がたまりにたまって――。
って、マジで泣いてるじゃんか!
「謝れ。謙也。」
「って、何で命令口調やっちゅーねん!」
そういって、本日三度目の頭叩かれ。
ッブチ。
「あー、もう怒った!怒ったよ!
ツッコミは頭叩けばいいってもんじゃないんだよ!」
「知るかボケェッ!
お前もはよ、いいボケできるようにならんかい!」
「……二人とも。
いい加減にせんと――「「すみませんでした。」」
土下座をして師範に謝る私達。
……何だかんだいっても、
私と謙也はボケとツッコミなんだな、と思ったりした。
…いつか、
ユウジと小春以上のペアになれるかもね。
「(…師範、頭ツルぴかだよね。)」
「(お前まだ言うとるん?)」
「――二人とも、聞こえとるで。」
「「すみません。」」
やっぱり、師範には敵いそうにはないです。はい。