ユウジ、小春コンビに<お笑いダブルス>禁止令
「今日はユウジと小春コンビのダブルス禁止ね。」
「なんやと――?!」
そういって、ユウジが悲鳴をあげた。
…っていうか、ダブルスっていっても
他の人と組んだりすることも練習のいっかんだよね。
「い・や・や。」
「お前はわがままいう小学生か。」
「せやかて、小春と離れたないもん!
なあ、こは「私は花子ちゃんと組みたいから賛成やわあ。」
「なんやてぇぇっぇえこのやろおおおお!」
そういって、ユウジがガクッと肩を落とす。
――うわぁ。真剣に落ち込んでるよ。
「…なんで、花子なん。」
「だって、ユウ君男やん。
それにしつこいねんもん。」
「…んなっ!小春…俺のこと、愛しとるんちゃうんか!」
「ふふ。」
「ちょ、何キャラねんそれ!」
そういって、ユウジがツッコミをした。
おっ、今の面白かったなあ。
「っていうことで、馬鹿はほっといていきましょ!花子ちゃん!」
「――って、あたしかーい!」
「ちょ、待てや!」
そういって、右手は小春に掴まれ
左手は後から追ってきたユウジによって掴まれた。
――うわぁ、何だよこの三角関係。
ホモ+オマケてきなさ。
嫌だな、両隣のキャラが濃すぎて私のキャラが塩より薄くなってるよ。
「おい、一氏いい加減にせぇやぁぁぁぁ!」
「い…嫌やもん!
俺、小春とダブルスしたいもん!」
一日くらい我慢できないのか。
ユウジの小春への愛は止められないんだな、って改めて思わされた。
「っで。
真ん中に私挟むのやめてくれますか?二人とも。」
「嫌やわぁ。花子ちゃんも一心同体少女隊入ってくれるいうたやん。」
「言ってないっつーの。」
「小春…!
花子は男やから入れたらあかんで!」
「こら、一氏!
ほんまのこというたら花子に失礼やろーが!」
「てめぇらいい加減にしろや、ぼけえぇぇぇぇ!」
その瞬間、私は二人の顔面に同時にパンチをかましていた。
……あっ。
やってしまった。
「つ…強くなったわね、花子ちゃん。
わ…たし………の、ま…け、よ…」
そういって、パタリと倒れる小春。
「…け…ケツ痛い……」
そういって、パタリと倒れるユウジ。
何故尻が痛いか教えてくれ。
…っていうか、なんなんだこの状況!
このモーホー軍団、手強し!
「………っていうことで、俺を小春と組ませるまで
ここで死んだふりするわ。」
「そっか。じゃあ一生死んでてね。」
「じゃあ、行きましょうか花子ちゃん」
「――って、こはるぅぅううう?!」
今日も、ユウジの叫び声が部室の外へ響いているこのごろ。
――私は幸せです。
はい。
いや、まぁこの小さな幸せが一生ぶんの幸せっていうかさ。
「……二人がいつかM1で優勝する日が楽しみだなぁ。」
なんて言葉を呟くと二人は顔を見合わせて――。
そして、笑顔を私に向けて言った。
「「まかせーや!」」