白石蔵ノ介に<関西弁>禁止令



「ねぇ、白石。
 日本語喋ってみて!

「お前、俺のこと馬鹿にしとるやろ。

そういってぎっと私を睨みつけてくる白石。
――だって、ねぇ。

普段『エクスタシー!』連呼してるから
まともな日本語聞きたいと思わない?


「じゃあ、関西弁使っちゃダメってことで。」

「……っは?
 俺から関西弁とったら何が残れん!」

あ、そうだね。
 何も残らないか…。」

おい、丸聞こえやぞ。

そういって、背後から私の足に自分の足をかけると
彼はコブラツイストをかけてきたのです。


「い…いっだだだだだああああああ!
 いてぇっつってんだろぉぉおおおおがあぁっぁああ!

「っふ…エクスタシー!」

そういって、ポーズ決めてるけど
何がエクスタシーだったのか教えてほしい。


「はぁ…はぁ、痛…っていうか、白石って関西弁以外って喋れるの?」

「あったりまえやん。
 俺を誰やと思ってんねん。」

「じゃあ、喋ってよ」

そういうと、
白石は少し迷うポーズをしてから――。


「花子。こっちへおいで。」

といって、私を手招きしてくる。
ん?何を企んでるんだ?

「――やだ。」

「やだ、って酷いなぁ。あははは。」

きも。

「なんやって――?!
 お前、しばく。今すぐしばく。

「って、ひぃぃ…!すみません、すみません、ずびばずぇん!」

今度は卍固めかけられたけど、
大丈夫です。

えぇ、私は体は男子並…いやそれ以上に強いからね!


「……ってて。
 っていうか、今の喋り方って立海の幸村っぽいよねぇ」

「そうか?標準語、ってこれが普通やろ。」

「いや…普通なのかな…。」

まあ、幸村は普通じゃないんだけどね。
って、いだだだだ…?!

何か今一瞬頭痛かったんですけど…!


「お、おい!大丈夫かいや!」

「え?あ、あぁ…!うん。
 もしかしたら、私達のこの状況を幸村が知っている可能性あるから気をつけようね。


あの人なら不可能を可能にすらしてしまいそうだもんね。
――あながち、嘘はいってません。私。



「……まぁ、関西弁は俺にはないとあかんもんやわ。」

「うん、そうだね。
 白石がどんだけ幸村になろうとしても、無駄な抵抗だもんね。

「なんやって――?!」


そういって、私達は今日もじゃれあう。

――白石は、白石のままでいいと思う。
なんて聞かれたら、笑われちゃいそうだから言わないけど。



「…俺ら、ずっとこのままでいような」

「え?」

「ん。別になんもないわ。」

そういうと、白石が微笑んだ。

- 5 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -