――時間はあっという間に過ぎて、気がつけば全国大会当日。会場へ行くと、強そうな人たちがたっくさんいる。……ってか、さっきから気になってるんだけど、何だあの黒い集団。

紫のユニフォームに、みんな日焼けしたように肌が真っ黒…。っていうか、みんないかついな、おい!なんか役1人、さっきからポテチの袋抱えて食べてんぞ!あの人もレギュラーなのかな…?まあ、後で試合見れたら見てみよう。


「花子先輩!」


「あ、日吉。」


「……練習試合ぶりですね。」


ヒラヒラと手をふってやってきた日吉に手を振り返す。…日吉に告白まがいなことをされてから、何通かメールをしたりした。まあ気まずい雰囲気がただよっていたが、日を重ねるごとにそんな雰囲気もなくなっていた。

普通に電話したりもしてたし、うん。目の前にいる日吉もいつもどおりだし大丈夫だ。何だかほっとしたかも。



「……先輩、大丈夫ですか?」


「え?何が?」


「寝てないんじゃないんですか。目の下にクマありますよ。」


そういって、日吉が私の頬に手をあてると、クマのところを指でなぞった。


「……ほら、ここのライン。真っ黒ですし、顔色も悪い。」


「あはは、大丈夫だって。」


「大丈夫じゃありませんよ、全然…。」


そういってため息をもらす日吉だったが、氷帝の赤いおかっぱの髪の毛の人に「おーいひよっこー!戻ってこーい!」と言われ、あわてたように行ってしまった。



「……花子さん、行きますよ。」


「あ、うん。ごめん、財前。」


待ってていてくれたのだろうか。――財前は私がくるのを確認すると、すたすたと先を歩いていってしまった。…ちょっとはスピードゆるめてくれたっていいのに。


全国大会





「(……これが最後の試合になる。みんな、全力を出しきっていくで!楽しんだもん勝ち、笑かしたもん勝ち、勝ったもん勝ちや!!)」


「「「「「(おおー!!!)」」」」」

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