「ふんふっふ〜ん♪」

――教室から廊下へでようとしたら、鼻歌まじりで蔵が廊下をスキップしていってしまった。きもっ。

なんやあれ、なんか頭痛くなってきた。



「……なんや、最近あの変態機嫌よぉない?」


そういって謙也がいぶかしげに蔵がいってしまった廊下を見てぽつんと呟いた。



「……何があったんやろーね。そーいえば練習試合終わった日、からだっけ?」


「そうそう、それぐらいからや。……まったく、きもいなあ。」


まあ、そんなきもいところも含めて私は彼が好きなんです。なんちって☆とか1人もんもんと考えてしまった自分が蔵以上にキモイ…。なんであんな姿見ても好きでいられるんだろうか。


そんなこと、今更考えたって無駄で。


好きになったらその人の悪いところだって好きになってしまう。恋は盲目だ。




「(…それにしても、急にどうしたんやろ。)」


……本当に、どうしたんやろ。あの練習試合の日になんかあったっけな…?ぽけーっと考えていると、日吉に告白されたことを思い出してぼぼっと顔が赤くなる。


「(いや、でもあれは告白じゃなかったかもしれないし!)」


――告白かそうかは本人にしか分からない。…もし勝手に自分の勘違いで解釈していたら相当痛い子だ、私。





「……なんやお前百面相しとんで。」


「え?」


「ダブル白石、練習試合の日からなんや…きもなった。俺、クラスかわりたい…。」


そういいながら、謙也はクラスをでていってしまった。







練習試合を終えて





「(日吉君が花子にふられとるところ見たら、なんや…安心した。なんでやろ、今なら空とべそうや!)」




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