気持ちに正直に
「――…俺、は……。」
ぐるぐるぐるぐると思考する。…回路がショート寸前。なんて某アニメの歌を口ずさむ余裕なんてなく。
「無理なら、無理って諦める。――今まで通り、友達でもいいから。お願い、返事をきかせてほしい」
「………花子、」
もう、ごまかしようなんてなかった。最初から俺の気持ちは決まっていたじゃないか。
「――俺も、好きや」
「………っ」
「好きや…好きで、苦しい。もう…自分の気持ちに嘘つけれん」
友達のまま、なんておれん。一度気付いたこの気持ちに、嘘をつけるほど俺は忍耐強いわけでもない。
「…花子と付き合ったら、花子が俺のファンになんかされるんやないかって不安やった。…いや、今も継続や」
「………」
「……せやけど、そんなん理由で花子を避けたってどうにもならんって、気がすんねん。自分の気持ちに嘘ついたって、俺も花子も苦しいまんまやし」
俺はもう気持ちに嘘つかんから。まっすぐに気持ちを伝えてくれたお前に、逃げも隠れもせんから。
――じれったい真似なんてせぇへんから。
せやから、俺の気持ち、届いてほしい。
「……すまん、俺……お前のこと、好きや」
そういって笑いかけると、花子もぎこちなく微笑んだ。……その笑顔もすべて、独占させてほしい。誰にも触れんように、俺だけのものになってほしい。そう願ってしまうぐらい愛しくて仕方がない。
「…こんな私を好きになってくれて、ありがとう」
そういって笑う花子は今までで一番嬉しそうな顔をしていた。
「(花子、ちょっと上むいて)」
「(ん?)」
チュッ
「(………!!!)」
「(固まってもーて、かわええなー)」