「……………。」

ゴシゴシゴシゴシゴシッ!

「……………。」

ゴシゴシゴシゴシゴシッ!



……………。

右の方角から何かを削るような凄い音が聞こえてくる。っていうのはいつものことで、そんな学校生活には慣れてしまった。

うつろ、この音が聞こえてこなかったら"白石"のかたわれが今日は学校休みなんやなーとクラスの中では暗黙の了解だったりする。


……けど、けどやで。

何で授業中、毎回毎回右隣からこんなすさまじい音がするんや?って、あ。どうやら合戦が始まったらしい。





「(うぉおおおおりゃあぁっぁああああ!)」

「(っはん。ちょろいな、くらえ!俺のつくった消しカスちゃんのはかなりのビッグや!)」

「(でかっ!この短時間でなんでこんなんつくれんねん!)」



「………はぁ。」



正直言いたい。

こいつらほんまどっかいってほしい。授業に集中できへん。いや、授業とか真剣にやるタイプやないけど、ほんまにこいつらのやることなすことにはため息がでる。

2人だけでやるならまだええ。


けど、なんで俺をまきこむんや。





「(って、俺の方向になんで消しカスとばすねん!!ふざけんなよ、ダブル白石ぃいいいい!)」




「(やばっ、謙也が怒った!)」

「(謙也もやろうや。)」

「(やらんわ!お前らだけでやっとれ、っちゅーか俺をまきこむなあああああ!)」


ほんまにほんまに、巻き込まんといてほしい。
机の位置的に、俺(忍足謙也)→白石蔵ノ介→白石花子で、後ろから2番目と比較的先生からはコソコソ話しが聞こえんところやけど、無理!寝たくてもこいつらおるから寝れんし、ごっつ眠くて思わず寝たときとか起きたらまぶたに目の落書きがかかれとった。

犯人はすぐにわかった。ダブル白石やって。油断もすきもあらへん。


……こいつら、ほんま悪魔やわ。



なんで俺3年2組なんやろ。泣きたい。今度侑士に愚痴ろう。





消しカスぽいぽい





「(侑士…俺ほんまあのクラス耐えられるかわからへん。)」

「(っは?)」

「(……ダブル白石の相手無理っ!あいつら授業中うっさいわ人様に迷惑かけるわ俺巻き込むわで最悪やねん!)」


「(…なんや、楽しそうに聞こえるのは俺だけか?)」





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