6時55分。
5分前行動をつねに心がけている私、さすが。誰でもいいから褒めてくれ。…といわんばかりのどや顔をしてみたが誰もいないのでやめた。
寂しいな…なんて思っていたら、向こうからもっさもっさした髪の毛が上下にぶんぶん揺れているのが見える。
「花子ー!」
「あ、裕次郎!と、その仲間達」
「……ついでみたいにいうなよ」
そういって、凛が笑った。…ってか、木手さんと知念さんまできてるんだけど。待って。どういう経緯があったの?どうしてこうなった?
「……でっかい人は誘わなかったの?」
「慧君ならお腹こわしてるらしいですよ」
「あー…そうなんだ」
裕次郎と凛と木手さんと知念さん…と、私。どういう組み合わせなんだろう。ちょっと帰りたい。
「花子、それより観光さー」
「あ!凛ぬけがけか!」
2人が私の腕を掴んでグイグイ引っ張る。痛い痛い!もうなんなんだ!!
観光もくそもないじゃないか!
「いてててててて!」
「……2人とも、ゴーヤくわすよ」
「「ごめんなさい。」」
木手さんに土下座をしている2人を見て私はシメシメと思った。…木手さんといれば、2人は私にくっつけないということだ。
木手さんは私の救世主、いや、神様仏様木手様だ。
「……………」
「………知念さん、おはようございます」
「………あぁ」
2文字で返された。目があったから挨拶をしたのに、ちょっと切ない。だけど知念さんっていると心があったまるかも。アットホーム、てきなね。
「それよりさ、何で私の携帯の電話番号知ってるの?」
「あー。それなら永四郎が跡部から聞いたらしいどー」
「あ…そうなんだ」
なんだ…私の個人情報そんな簡単に流出してたんだ。なるほどね。
「ちなみにさっきの電話番号は俺のです」
とりあえず、私は木手さんの携帯番号をゲットしてしまったらしい。…沖縄きて何してんだろ、私。