「ふぁー…」
眠りから覚めると、時間は午前6時。跡部達は確か8時にホテル前で集合してみんなで観光する、っていってたような…。
どうせ凛も冗談半分で予定あけとけよっていってきたんだろう。
8時までまだ時間あるし、とりあえずのんびりするかー。
そう思っていたら、携帯の音が鳴り始めた。こんな時間に誰だろ?携帯のディスプレイを見るが、知らない番号からかかってきているみたいだ。
ピッ。
「もしもし?」
『あ!花子?』
「……あれ?裕次郎?」
『やー、今どこにいるさー?』
「えーっと…○○ホテルってとこ」
『おー、そこならわかるどー!7時にホテル前にいろよ、いくからなー』
「え?え、っと、ちょ――」
私の言葉が言い終わる前に電話がきれた。……あれ、嘘じゃなかったんだ。
「っていうか、私の電話番号どこから聞いたんだろ…」
首をひねる。誰から聞き出した、なんて考えても思いつかない。本人に聞いてみるのが一番だろう。っていうか、今日誰がくるの?
何だか適当だ…。それより早く支度をしなくちゃ。私はベッドから飛び出ると、洗面所へとダッシュした。