「っわ!沖縄限定の靴下だって、可愛い!」
「お、確かにそれ可愛いな!」
「でしょ!」
買い物が始まってから数分。私と岳人できゃっきゃと盛り上がっている。…それにたいして、後ろの2人は実に冷めていた。
「……何や、あの2人…。実は凄い気ぃ合うやんな」
「ですね…正直、俺達って、いらないですよね…」
なんて言っていることも知らず、どんどん増えていく手荷物。
「なー、花子ー。このキーホルダーどう?」
「わー…何これ、何かのぞけたりするの?」
「らしいぜ!何か、この小さな覗き穴あるだろ?太陽の光当てながら見たらちゅら海が見えるらしいぜ」
そういわれて実際に太陽にすかしてみてみると、キラキラと見えるちゅら海。……うぉおおお!すげぇぇええ!!
「やばい…私これ買おうかな!」
「じゃあ俺も買おっかな。お前は何色にするつもりなんだ?」
「んー…無難にピンクかな」
「じゃあ俺は赤。っつーことで、店員さん、これとこれください!」
そういって私のぶんまでお金を払う岳人。え…ちょ、え、ちょ、え。戸惑っていると、私の手のひらにぽんっと置かれる小さな紙袋。
「ほらよ。一応、今日マネージャーの仕事頑張ってたみたいだから…給料だと思って受け取れよ」
「え…」
「べ…別に、好きだから、とかじゃないからな…!勘違いすんなよ!クソクソ!」
え…何、これが今はやりのツンデレなんですか。ぽけーっとしていると、「置いてくぞ」なんていいながら先を歩いていってしまう岳人。
「わ…ちょ、待って!待って…っつーか速いな!もうちょっとゆっくり歩いてよ…!」
「あ…わりっ」
「………それと、これ、ありがとう。携帯につけとくね」
そういうと、岳人が少し目を見開いて、照れたように「お…おう」とか言うから何だかこっちまで緊張してしまいそうになる。
「岳人って…私のこと、好きだったり「ぜってーありえねぇから。」ですよねー!ありえませんよね、すみませんでした」
ちょっと私に好意あるのかな…?とか勘違いしちゃったじゃんか!恥ずっ、穴があったらもぐりたい。
あ、そういえば忍足達どこいったんだろう?後ろを振り返れば、2人がいない。
「岳人…忍足達いないんだけど」
「え…?う、わ!本当だ!どこいったんだ、アイツら…!」
探すこと30分。
「あ…この紅芋味のアイス、なかなかです」
「ほんまか。こっちのバニラもなかなかやで」
「………いつでも食べれる味じゃないですか」
なんて、2人が仲良くアイスを食べてるところを見て若干気持ち悪いとか思ってしまった私は悪くないと思う。……私の知らない間に、何か2人の距離が縮まってるような…。ちょっと見たくない光景だったかもしれない。