「うおおぉおおおぉおおお!国際通り、キタァァアアアアアアアア!」
あれから、練習試合が終わるまでじろちゃんがべっとり私にくっついてきたおかげで、裕次郎と凛から何かされることはなかった。なかった…のだが、視線がいたかったのは気のせいだろうか。いや、気のせいか。
まあ、今は国際通りだし、精一杯楽しもう!
「うぉおぉおぉおおおおォオオオオ!何買おっかな!」
「花子先輩…テンション上がりすぎじゃないですか?」
「喋るな、長太郎。そしてコイツと関わるな、他人のふりをしろ」
「な・ん・だ・と・し・し・ど〜!」
そういって宍戸の首に腕をまきつけて力をぐっと入れると、宍戸が「ギブ!ギブ!」ともだえたので手を離す。…っふ、ざまぁみろ。
「とりあえず、7時ごろになったら全員ここに集合だ。いいな?」
「イエッサー!」
「………はぁ」
元気よく挨拶をしたら跡部がため息を吐いた。跡部の隣にいた忍足がぽそっと「…絶対迷子になるパターンや」と呟いているのが聞こえた。迷子って…!さすがに迷子にはならないよ、っていうか私1人でまわるつもりないし。
「日吉!日吉ィイイィイイ!」
「………うるさいです、聞こえてますから耳元で叫ぶのやめてくれませんか」
「えへっ。一緒にいかない?」
「………だそうですが、いいですか、向日さんと忍足さん」
そういって、日吉が岳人と忍足に問いかける。……って、何でその2人!日吉は絶対1人でまわると思っていたのに…!
「えー…花子いんのかよ」
「なんだい岳人。何が不満だい」
「……すべてが不満やろ」
「黙れ忍足、海の藻屑にするぞ」
ぎゃーすかぴーすか騒いでいる岳人と忍足を見て、私は思った。
私って凄く嫌われてるんだなあ。
こんなに拒否反応示されると、凄く切ないんだけど。あ、何か向こうで宍戸がぷってふきだしてる。凄くエルボーくらわしたい。