「(なんか…この人たち見てたらまだ自分の学校がまともに思えてきた。)」
いや、こっちも人のこと言えるような立場じゃないけどさ。比嘉中見てたら、なんかチームワークっていうか、なんかがなあ…。これ束ねる部長のリーゼントの人って凄いなあ。やっぱそれなりの実力もってるんだろうなあ、強いですオーラがぷんぷんでてるし。
まあ、オーラなら跡部も負けてないけど。
「おい、花子。こっちこい。」
「え?」
「いいから、さっさとしろ。」
跡部に命令されて、しぶしぶ走っていく。――リーゼントの人の前に立たされたと思ったら、めっちゃガン見されてしまっている。なんか…品定めされてるてきな感じなんだけど。
何やだこの人、超怖い!
今すぐこの場から去りたい、視線が痛い!
「……あ、あのー?」
痺れをきらして自分から声をだすと、リーゼントの人は眼鏡をキラッとさせながら「ふむ…君がマネージャーの田中君ですか。今日はよろしくお願いしますよ。」なんて言った。
「はぁ…よろしくお願いします。」
「あぁ、比嘉のやつらにも言っておくが、コイツは沖縄にいる間は奴隷だと思ってくれてかまわない。雌豚のようにぶーぶーわめこうがなんだろーが、命令権はこっちにある。」
「なんだそれ!っていうか、鬼ごっこのあれまだ覚えてたの?!」
「忘れるわけねーだろ。あーん?」
そういって跡部がにやりと笑った。…こういうどうでもいいこと覚えてくれてるところが跡部らしい。本当、消えてほしい…。
「奴隷…ですか。」
リーゼントの人が困ったような顔をしている。…対応に困ってるんだろうなあ、うちの部長がまったくお馬鹿でごめんなさいね。何か比嘉に同情してしまいそう。
「まあ、とりあえずだ。花子、お前には早速仕事がある」
「……えー」
「えーじゃねぇ。比嘉と氷帝のぶんのドリンクをつくってくれ」
「仕方ないなあ…」
しぶしぶ重い腰をあげて、ドリンクをつくる作業に取り掛かった。その間にどうやら練習試合のミーティングが行われ、軽くウォーミングアップしている選手達が見える。…っていうか、沖縄暑い。死にそう。
太陽がギラギラしてる…。
「(比嘉中って何人いるんだろ)」
ざっと見たところ、5人…?いや、7人か。何か妙に個性の強い人たちが目立ってて普通の人たちが目に入らなかった。
氷帝の部員たちと合わせて大体20人ぶんくらいのドリンクをつくればいいのかな?
普段ならサポートがわについてくれる滝君は、今日は試合にでれるらしい。そのため、私は今日は1人でマネージャーの仕事を全部こなさなければならない。
…普段の2倍…いや、その倍以上頑張らなきゃいけないのか。
あー…何か疲れそう。しかも沖縄にいる間やつらの奴隷だしよ…!
まあいいけど!沖縄につれてもらっただけ感謝だけど…!
「(えーいくそー、こんくらいちょちょいのジョイだー!)」
さっさと仕事終わらせて楽してやろう。…今日は午後まで練習試合だが、夕方ぐらいから国際通りでお土産見る予定なんだよね。お楽しみもあるんだし、頑張ろう。