「ちょ、シリアスな空気やけどええか。」
「……何、忍足。いらないこと言ったらピーッて音声入るからね。」
「あの、ひとまとめにしたら、過保護な幸村が陰で跡部と組んで花子をマネージャーにさせただけの話しやんな?」
「うーん。まあ、そういうことかな。」
その時、忍足は感じたのだった。
「(――あかん!幸村の目マジや!花子のどこがええんか分からんけど、これ相当寵愛しまくっとる!)」
「何、君。俺の顔ジロジロ見ないでくれる?眼鏡。」
「って、誰が眼鏡や!」
「俺の顔をジロジロ見ていいのは花子だけだよ。ね、花子?」
「過保護です、せーちゃん。それと近いです。いや、メールとか電話とか無視してたのは本当謝るよ。私も意地張ってごめんって謝るよ。けど、とにかく距離近いって…!」
「だってやっと会えたんだよ、花子。…俺の天使。」
「っだー!ひっつくな!離れろ!っていうか、日吉さっきから1mmもせーちゃんの話し聞いてなかっただろ。」
「……帰りたいです。」
「ホームシックになってんじゃん…!日吉、もう変装しなくていいんだよ?!あぁぁああ、もう!正気保って!」
「花子、それより俺ともっと語ろうよ。久しぶりに喋るから喋りたいことがたくさんあるんだ。」
「――わかった。分かったからせーちゃんは腰にひっつくのやめようか。」
「仕方ないなあ。」
「仕方なくない!」
「真田はコーヒーに砂糖いれるの?」
「いや、俺はストレートで飲む派だ。滝はどうだ?」
「うーん…俺はその時の気分によって砂糖とかミルクとか足す派かなあ。」
――この二人が陰で仲良くなっていることに、気付くものはいないのであった。