「お待たせしました。アップルジュース、オレンジジュース、コーヒー2つです。」
女の店員さんがやってきて、ジュースやコーヒーを置いていく。すると、向こうの席から「E〜な〜!俺もジュース飲みたい!」「慈郎!ッシ!」という声が聞こえてきた。
……先ゆきが不安なんだけど。
「(っていうか、アイツらもしかして――。)」
あの机のど真ん中においてあるの、もしかしなくても盗聴器?小さくてよく見えないんだけど、なんだかそんなような気がする。
「(………もしかして、最初から尾行されてたんじゃ…。)」
いや、今はとりあえずこのピンチを脱出することが先だ。ちらっと隣の滝君を見ると、にこっと笑ってくれる。
……うぉ、天使様だ…。何この癒し。滝君が隣にいてくれて心強いかも。
「あぁ、そういえばまだ自己紹介がまだだったね。それぞれ紹介しあおうか。」
「うむ。そうだな。」
「俺は立海大附属の幸村精市。幸村でいいよ。」
「俺も同じく立海代附属の真田弦一郎だ。俺も幸村のように苗字でよんでくれて構わない。」
「俺は氷帝学園の滝萩之介。滝でいいよ。」
「私も同じく氷帝学園の田中花子です。まあ、お好きなようにどうぞ。」
とりあえず簡単に自己紹介を終える。――幸村と真田、って。明らかに歴史の人物狙いすぎだろ…。とかいおうと思ったけどそんな余裕もなく、とりあえず黙っておいた。