「せーちゃああああああん!」
「花子!」
わけが分からないこの状況。花子は怒ったと思いきや、急に半泣きの顔でせーちゃんとかいう男の首周りに思い切りだきついた。
「私も悪かった!怒ってごめん、本当にごめん。」
「いや…俺が悪いんだ。君を急にマネージャーなんかにさせたから…。」
「(マネージャー…?)」
そういえば、どうして花子は氷帝の男子テニス部のマネージャーをしているのだろうか。ふと考えることはあったがたいして気にしたことはなかった。
そういえば、花子は1年生の夏あたりからマネージャーになっていたような気がする。
「……花子、一体どういうこと?話し、俺にも聞かせてくれる?」
ちょっとした好奇心がわいた。女子に目をつけられてでも、やる必要があるのだろうか。花子は日吉や芥川に弱いから、そういった部員目当てで入ったのかと思ったが、こんなガサツなところとか大雑把なところを見せてる限りそうではないだろうし。っていうか、そういう子ではない気がする。
認めたくないけど、自分の本心がそういってる。
「……説明したらちょっと長くなりそうだけどいいの?」
「別にいいよ。」
「じゃあお茶しない?すぐそこにレストランがあるし、俺がおごるよ。真田もいいかい?」
「異論はない。旧友にあって話しがしたいのなら、俺もついていこう。」
「ふふ。助かるよ。」
「ねぇ、せーちゃん。」
「ん?何?」
「その隣の人お父さん?あれ、こんな顔だったっけ?」
「全然違うよ。花子はまったく冗談を言うのが好きだね。ちなみに副部長の真田弦一郎だよ。」
「あ…あー!なるほど!老け顔!」
「誰が老け顔だ!」
「っひい!怒った!」