水着を選ぼう
「――てめぇら聞け、来週の土曜日と日曜日は俺様の自費で沖縄へいく。」
「……凄い中学生らしからぬ言葉。」
「なんか言ったか花子。」
「いいえ、むしろ尊敬しております。ありがとうございます。」
「……っはん。まあいい。ちなみに土曜日は練習試合を組んだ。比嘉中だ。花子、試合を組むメンバー考えとけよ。」
「えぇ…、適当でいいの?」
「あぁ、お前が考えたのでいい。」
「じゃあ跡部と忍足ダブルスにしていいの?」
「そんなことしたら沖縄連れてかねぇからな。」
「はい、すみません。…まあ、考えときます。」
「え、俺地味に傷ついてええんか、ここ。」
――というわけで、あれから恐怖の鬼ごっこが終わり土日に練習試合+沖縄巡りをすることになった。やばい。凄く嬉しい。
沖縄っていったらやっぱどこまでも澄んだ海だよね!水着かいにいこーっと。
そう思い、水着を選ぶのに最適な人物を連れてきたよ!
「で、何で俺なのかな?」
「……いや、あの…一番まともかなーっと…。」
滝君よんだはいいけどむちゃくちゃ怖いです。あぁ…足がガクガクしてきた。
「……水着なんて自分の好みでいいんじゃない?」
「え、何その無責任さ!みんなに引かれるようなやつ買っていきたくないじゃん!」
「大丈夫だよ、花子はもうその点手遅れだから。」
「どういう意味だゴルァ。」
「……ふふ、冗談だよ。まあ、とりあえず店の中入ろうか。」
――なんか、制服で二人で買い物するとか青春してるみたい。彼氏とかできたらこんな感じなんだろーなー…。
あ、やべ、なんか照れる。
「花子?」
「すみません、今すぐ行きます。」
――こんな腹黒い彼氏は嫌だな、って思います。