――あぁ、もう、宍戸さんと花子さんは一体どこにいってしまったんだろうか。花子さんは野生の獣みたいだから、きっとどこへいっても生き延びれる人だ。さほど心配ではないが――宍戸さんは普通の常識人だからジャングルや砂漠にいったら絶対死んでしまう。
あぁ…宍戸さん!どこですか!死なないでください!!!
――と、その時耳に何かが入ってくる。
〜♪〜〜♪
「(あれ…?これ、は…。)」
『ざぁぁぁああんんんこぉおおくぅうな〜天使のてぇぇぇ〜ぜえええええ!宍戸も歌えよ!』
『歌えるか!』
「(あぁ…この音痴な歌は…。)」
長年音楽と触れ合っていれば、多少音が外れているとかキーが間違っているとかすぐに分かる。……だが、花子さんの歌はそういうもの全てをくつがえすのではないかというほどひどい。
「……鳳。今の歌、聞こえたか。」
「……はい、聞こえました。あれは花子さんの歌です。」
しかもアニソン…まぁ、あの人らしいといえばあの人らしい。