「宍戸ー…もし、このまま助けこなかったらどうする?」
「全力でドアこじあける。お前と密室なんてまっぴらごめんだからな。」
「こっちからもまっぴらごめんですー。」
「……はぁ。それにしてもアイツらおっせぇな。」
「案外私たちの存在に気付いてないとか。」
「……どんだけ影薄いんだよ。山吹の地味`Sじゃねぇんだからよ…。」
時間がたつにつれて、こっちのイライラや焦燥感などもつのっていく。――マジで助けこなかったらどうしよ。何か強烈な尿意がこみあげてきた。……トイレ行きたい。
「ねー宍戸。」
「あ?」
「私がここで失禁したらどうする?」
「お前と二度と口聞かねぇ。」
「え、そこまで…?!」
「――んなこと考える前に、出れる方法考えろ。馬鹿だろお前。」
そういって、宍戸が私の頭を小突いてきた。あで。何だよ、宍戸。頼れる男みたいなオーラ醸し出すなよ、なんかムカつく。
「……へたれのくせに。」
「誰がへたれだゴルァ。」
「いつも長太郎の後ろに隠れてるくせに。」
「あ…あれは、」
「あ、否定はしないんだ。」
「う…うっせ!黙ってろ!」
「はーい。」
……何か、何かないだろうか。
「あ!宍戸、分かった!分かったよ!」
「っは?何がだよ。」
「私に案があるの…!」