「あー、もう何で俺が出なきゃならねーんだよー…」
「仕方ねーよ、宍戸。跡部が"庶民の食べるぱんなんて俺は絶対食べねぇからな。"って言い張るし、侑士は侑士で"今から謙也にメールする。"とか言い出すしよー。」
「……俺たちのチーム、最悪だな。」
「…だな。」
「――よっしゃ、樺地目指すは1位だ!」
「ウスッ。」
「樺地は身長高いし体もでかいからがんばってね〜」
「……勝つのは、チーム可愛いものクラブ…です。」
あの司会者大丈夫か!?
「ではみなさん、ならんでくださーい。」
人数があまりに足りないので、2対2のパン食い競争になった。――チーム変態からは宍戸、岳人、チーム可愛いものクラブからは樺地とじろちゃんが出ることに。
「いちについて、よーいどん!」
その一斉で4人がまるでチーターのような速さで走っていってしまった。うーん…どうなるんだこれ。
『えー、試合の状況は俺滝萩之介が解説します。現在1位は向日、それに続いて宍戸、樺地、芥川です。チーム変態がリード…!』
「へっへー!こんなん楽勝だな!」
そういって岳人はご自慢のジャンピングで軽々とパンを引きちぎると、そのままダッシュ。
「もぐもぐ…って、う………っ!」
「どうした向日ー!」
「か…辛い!!!!!!」
そういうと、岳人はパンを地面にこぼしてゴホゴホとむせた。
「……おい、花子。あのパンの中身はいったいなんなんや。」
「えー人それぞれだけど岳人が食べたのはタバスコ味だよ。」
「コイツ最低や!」
『おおーっと、チーム変態向日選手のパンの中身はタバスコ…!向日選手、大丈夫か!』
「っていうか、俺のパンの位置高すぎじゃねぇか。」
「宍戸気のせいだよー、頑張れー」
「てめ…!司会だか審判だかしらねぇけど終わったら覚えてろよ…!」
そういうと、宍戸は必死にジャンプしてパンをとろうとする。――しまいには腕をのばして取ろうとするがいっこうに取れないらしい。その光景が馬鹿すぎて笑えてしまう。
「宍戸さぁぁああああん!」
「ちょ…長太郎!」
「はい、どうぞ。」
「……!あ、あぁ…わりぃな。」
そこに敵チームの長太郎があらわれ宍戸のパンを快くとってあげたみたいだ。…ってか君敵だよね?何で助けてんだろう。
「むぐむぐ…って、なんだこりゃ!」
「あぁー…宍戸が食べたのはお米だね!」
「パンの中に米?!意味わっかんねぇ、何このアンバランス!まずっ!」
「あ、ちなみに言うの遅れたけどたとえ1位でもパンが食べ終えてなかった場合は最下位です。みんな頑張れー!」
「「それを先にいえよ!!!」」
宍戸と岳人のツッコミをうけたが、スルー。…まぁ、頑張って食したまえ。
『チーム変態がパンを食べるのにあせる中、チーム可愛いものクラブはどうやらパンを食べ終えた模様です!』
「このあんぱん超おいしかったC〜!」
「……カスタード、でした。」
「何であいつらのはまともな中身なんだ。審判ちょ、ふざけんなよおお!」
「宍戸、逆らった場合は減点だよ。」
「っざけんな!」
「くっそ〜…!唇がひりひりしてもう食べれねぇ!」
「……なあ、跡部。」
「何だ忍足。」
「……花子、あきらかに俺らを負かせようとしとるよな。」
「………っち、アイツを司会にしたのが間違いだったな。」
『っということで、第一競技パン食い競争は1位樺地、2位芥川、3位宍戸、4位向日でした〜。チーム可愛いものクラブがリードしている模様です。さあ、チーム変態…まきかえすことはできるのでしょうか。』