今日は彼氏の財前の家におよばれして、
浮かれっぱなしの自分。

――家でいちゃいちゃするのが一番さ!




幸せな日曜日



「花子さーん」

珍しく上機嫌な財前が、
二つのコップにオレンジジュースをいれて持ってきた。

…あれ?
いつもなら『自分でジュースいれや。』てきな雰囲気なのに…今日は財前がいれてくれたの?!



「…あ、ありがと…」

「………なんやねん、その疑いの目。
 はい、どうぞ。」

そういって差し出されたコップを両手で持つと、
中に入っているオレンジジュースをぼけーと眺めてしまう。

は…っ。

あの財前が…あの財前が、
私にジュースを運ぶなんて!

今日は雨でも降るんじゃないだろうか。




そんな疑心暗鬼な私を知ってか、
財前がこんな質問をしてきた。



「…花子さん、そういえば今日何の日か分かります?」

「……へ?」

え?なぞなぞ…?




「えーっと…帝国記念日。

それ全然ちゃいますけど。

えーっと…7月20日って、
何かあったっけ…?

えーっとえーっと、うーんっと…。



聖徳太子の誕生日とか?

何でそないなマニアックなもんだすねん。…ほんまにわからへんの?」

不安そうな顔でじっと私のことを見つめている財前。
あー…この状況ってもしかして、
あれか。あれだよな。
「……わかったよ、財前。」

「え?」

「今日は付き合って1ヵ月記念日だね!
 ごめんごめん、私そんなことも忘れt「ちゃいますけど!」

そういうと、
財前は呆れたようにはぁーっとため息をついた。



「(あー…この人に期待した自分がバカやった。)」

「……財前?」

「(花子さんなんかハゲればええねん…っ。)」

「あー…っと、ごめん。
 怒ったならごめん……」


そういって、俺の顔色を心配そうにうかがう花子さん。


あーもう!
そないな顔されたら怒りたくても怒れんやんけ…!


「……ばか、ばか花子さんっ」


そういってぎゅっと強く抱きしめると、
花子さんが慌てたように自分の腕の中でじたばたもがいて「財前?!」と叫ぶ。

――ほんま好きや、花子さんが。




「……ほんまはな、
 今日俺の誕生日やってん。」

「………え?」

「……せやから、ちょっと期待してただけですわ。
 すんません、」

そういうと、
財前がぱっと手を放した。




「あ、そういえば今からお笑いの番組始まるらしいっすよ。
 今テレビつけ――」


そういう財前の手をとって、
私は彼の唇に自分の唇を押し当てた。



「え…っと、花子さん…?」







真っ赤になる財前がとっても可愛らしい。


「あ…あの、誕生日知らなくてごめん」

「……。」

「今日は誕生日プレゼント用意してないけど、
 来週までには用意するから!」




そういうと、
財前がにやっと笑う。


「……プレゼントは、」

「……え?」

「プレゼントは花子さんだけで十分ですわ。」








そういうと、
財前は私のことをぎゅっと強く抱きしめて深く口付けをしたのだった…。








―――――
★あとがき

財前はぴば!

おめでとー、
主人公はきっと財前に新色のピアスをかってあげたに

ま ち が い な い 。




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