「あのですね、財前氏。
 これで本当に一氏ユウジ氏は喜ぶのでござるか?」

「先輩その喋り方きもっ。まあ…喜ぶやろ。」


ユウジの誕生日プレゼントのために、はるばる飛んでやってきたのは秋葉原なのでした。――大阪から遠すぎっ!こんだけのために東京きた自分たちってなんだろ!でも心なしか財前かウキウキだからいいんだ。

可愛いから許すっ。

「後で新宿とか渋谷とかつれてってくれるんでしょーね?」

「え?今日丸一日秋葉やけど?」

「ぐはっ…!」



見つけたモノ



…というのが約一週間前の話しで、何とか渋谷とか原宿とかそこらへんを財前に案内してもらうことに成功した。ふーあぶないあぶない!


それよりも早くユウジ、クラスにこないかなー。
そんなことをぼやーっと考えていると、後ろからガシッと肩を掴まれる。


「みぎゃっ!」

「あんら、花子ちゃんやないのー。おはよーさん」

そういってニッコリ微笑む小春が今はなんだか憎らしい。…くそ、やられた。そう悔しがっていると、その隣にはユウジがいて。

目がぱちっとあった瞬間、むこうが視線をそらした。



え、私嫌われてんの?


「え、えーっと…ユウジ?」

「な…なんや」

「いや…別になんでもないけど。」

そういうと、ユウジがささっと小春の後ろに隠れてしまった。お前はどこぞの乙女だ。隠れてないででてこーい!プレゼント渡せねーだろーがー!


そんなことを思っていると、空気をよんだ小春が気をつかってユウジの背中を押して前にやる。「ほら…ユウ君何うちの後ろに隠れてんのぉ。」

「せ…せやけど、」

「堪忍してーなぁ、花子ちゃん。ユウ君、プレゼントもらえんかもって思って不安がっとんねん。」

「い…言うな、どあほおおおおお!」

恥ずかしそうに顔を赤らめるユウジを見て、小春を見て、またユウジを見る。

………っへ。何この可愛い生き物。テイクアウトしたい。部屋に飾ってもいいのでしょーか。


「……あ、あのさ、ユウジ」

「お、おう」

「誕生日プレゼントさ…ちゃんと、もってきたんだよ」

そういってユウジにプレゼントの袋を渡すと、ユウジの目がこれでもかというぐらいキラリと光った。…うわぁ、すごい嬉しそう。

それを横から見てる小春の顔も、自然と微笑んでいた。まあ、小春はいつも微笑んでいるのだが。


「…ほ、ほんまに俺に?」

「いや、あんた以外に渡しちゃダメでしょ。」

「せ…せやな、ほな…開けてもええん?」

「いいけど期待はしないでね。」

「お、おん!」

そういって、嬉しそうに袋から5冊の本を取り出すユウジ。




「……え、こ…これ、って……?」

「え?BLの本だよ?なんか財前が、"ユウジさん最近BLのアニメにはまってるらしいで"言ってたから。」




















「(財前ぶち殺したろか。)」








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