「ない…ない!」

「何が?」

「俺のバンダナがや!」

そういって、
慌ててロッカーを見回っているユウジ。

あはは、残念だな!ユウジよ!


実は私が持ってるっていうパターンなんだよね!

またお前かあぁぁぁあっ!

阿吽の呼吸



そういって、鬼のような顔をして私の後ろを追いかけてくるユウジ。


「待てえぇぇぇぇええぇっぇ!死なすど!」

「生きる!」

「むしろ死ねっ!」

「生きるっ!」


そんなやりとりを見て、
呆れた表情の財前と小春。

「……ユウ君も、立派に青春しとるわねぇ。」

「……あれのどこが青春しとるんかわからんわ。」

「あら、光!じ・つ・は、羨ましいんじゃないの〜?」

そういって、ツンツンと触ってくる小春さん。
うぎゃあぁぁ…!
真剣にきしょい!やめぃ!

バシッ!

「あら?!反抗期かしら、この子は!」

「…やって、きもいんすもん。」

「っきー!…まあ、ええわ。
 ユウ君と花子ちゃんのラブラブっぷりに免じて許したる」

そういうと、
うっとりしたような表情で追いかけっこを見ている小春さん。

…何。

この人、あのカップリング見て何萌えとんねん。



「……あぁ、ユウ君も花子ちゃんもかわええわぁ」

「っは?」

「せやから、あの小動物の戦いみたいなん。
 …めっちゃかわええやん。本当、あの2人いつになったらくっつくんかしらん。」

「……あれは、まだまだ無理やと思いますけど。」




そういうと、花子さんが石につまずいてずっこけた。
あ、あかん。
この調子やったら、ユウジさんも――。

ドンッ!

ドタンッ!


「うぉぁああぁ?!」

「「あ。」」

思わず小春さんと声そろえてもうた。
…あーぁ、
花子さんこけたからユウジさんこけてもうたし、
更にたまたまそこ通ろうとした部長まで巻き込んでもうてるし。

…玉突き事故ってやつやな。

あの2人、ただじゃすまされんやろーなあ。



「お前ら…まーたーかーあぁぁああぁぁ!」

「「ぎゃあぁっぁぁぁああぁぁっ!」」

そういって、2人で仲良く逃げていくのを、
後ろから部長がこれ以上ないというくらいの猛スピードで追いかけていった。


……なんやろ。

あの人たち…って、ほんまに…。





「――ほんまにアホや。

「あ、それ私も同感」



「待てやあぁっぁあ、ユウジ、花子!」

「お前が俺のバンダナ盗むからやろーが!」

「違う、ユウジが白石を巻き込んだからああああぁ!」

「言い訳無用やで、お前らあぁぁああ!」



その後、捕まった花子さんとユウジさんが正座して悟り開かされとるの見て部員がめっちゃ笑ってた。

ほんま…この2人、
お似合いやねんに不器用すぎんねん。



「(ユウジのやろー、バンダナごときで怒りやがってー!)」

「(花子のやろー、ほんま災難に巻き込みやがって!)」

「「(ほんま、死なすど!)」」




―――――
★あとがき

バンダナ取り合いしてたら可愛いとおもって、
こうなりました。

むしろ連載にしたかった。←






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