「おれのちーずぴざ!ぴざぴざぴざ!」
「……花子さん、俺あんな部長嫌やぁ。」
「私も嫌だけど、あれが部長なんだよ、財前。」
財前もあれの跡をついで部長になると思うと先が不安で仕方がない。
俺のチーズピザ!
何故か知らないけどチーズピザのチーズだけをとりのぞいている白石。
本当にきもい。群をぬいてきもい。
「…何してんの、白石」
「お、花子!ええところに気付いたで!」
――このパターン知ってるんだけど。
そういえば、チーズパンの時も彼、チーズとパン別個にしてませんでした?
いや、まあ…チーズパンなら可愛らしいもんだとは思うけど、
チーズとピザを別個にしてるとはね。
これ末期症状でしょ、
どろどろのチーズの塊が皿につまれていくのがなんだか気持ち悪い。
…っていうか何で彼は食べ物を単体にしようとするのだろうか。
本当にやめてほしい。
「どうせサラダ隊修行とかいうんでしょ?」
「ちゃうし!チーズフォンデュ修行や!」
「マジで意味わかんないから!つーか、ピザとチーズ一緒にたべろ!」
「ええやん、そんな縛らんといて!」
「いやいや誰がいつ縛った。」
白石は妄想癖までついてしまったのか。
ヤダヨー、こいつの隣マジでヤダヨー。
「財前、じゃあ一緒に帰ろうか」
「そうっすね」
「って待てまてまて!」
「「………。」」
二人で冷たい視線で見てやっても彼には効き目はないらしい。
「俺も一緒に帰る!」
「っは?きもい。」
「いやーや、俺もかえらせてー!」
そういって駄々をこね始める白石。
真剣にウザイ。
このままマジで置いて帰りたいんだけど。
ちらっと財前のほうを見ると、『こればっかはしゃーないんやないんすか』と目で合図してきた。
…くっそー、今回は財前に感謝しろよ、白石蔵ノ介。
「…今日だけね」
「やったー!二人ともほんまおおきに、好きやで!」
「「きもい。」」
白石はいつになったら気持ち悪くなくなるのだろうか。