◎日吉の誕生日ということでヒロインがケーキをつくってきました





『はっぴーばーすでい!日吉!』


「……ハッピーっていうか、むしろバッド…いいえ、何でもないです。」


『何?何かいいかけたよね?まあ聞かなかったことにするけど!』


「(聞かなかったことにするのか。)それより、その手にある箱はなんですか?」


『何でそんなあから様に嫌な顔すんの。そうだよ、日吉にプレゼントだよ!べ…別に、あんたのためにつくってきたわけじゃな「中身はなんですか?」…最後まで言わせてくれないのね』


パカッ!(箱をあける)


「あ……」


『どや。ショートケーキワンホールつくってきました!』


「…………、手作りですか?」


『え、う、うん…そうだけど?』


「………。そうですか」


『(え、どうしよう、何か日吉が照れてる?え…?反応に困る!)う…うん、でも、食べきれないでしょ?』


「食べきれなかったら宍戸さんにあげます」


『(宍戸にあげるのかよ…。)あー、まあ、うん、そうして』


「でも…先輩ってお菓子作れるんですね。イメージにないです」


『私の株価アップした?』


「まあいつもダウンしてるんで足しにもなりませんがね」


『(ふんぎぎぎぎぎ!こらえろ私、こらえろ私、こらえろ私…)そ……、そう…』


「あの、」


『ん?』


「……こんなに貰ってもいいんですか」


『え…いいよ?っていうかいつも私が迷惑かけてるし、それぐらいさせてほしいっていうか』


「そうですか…なら、ありがたくいただきます」


『日吉が好きそうなものをつめたから楽しみにしててよ!』


「(つめた…?)そうですか。では後日味の報告をします」





12/5








――後日。ケーキの中にぬれ煎餅やら柿ピーをサンドしたら予想通り日吉に頭をぶん殴られた。ケーキの味はまあまあだったらしい。…それにしても日吉に容赦なく殴られた頭がぐわんぐわんする。


どう落とし前をつけてくれる気だ、日吉。私の頭を殴りながらも、少し照れている日吉は反則だと思う。よし、今度日吉に婚姻届を渡そう。まあ…破られて終わるだろうけど!





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