『私は、貝になれるだろうか。』


「１００％無理でしょうね。分かったならさっさと仕事に戻ってください、迷惑です。」


『相変わらずの日吉のツン。…だが今日の私はダメージを受けない。何故か聞きたいかい？』


「遠慮します。」


『何故なら、跡部のファンに呼び出されているからだよ………！』



「（聞いてないのに…。）」



『……はぁ。どうしよっかな、あの人たち。厄介だなあ。』


「……そんなもの、行かなきゃいいじゃないですか。馬鹿みたいに行くほうもどうかと思いますがね。」


『けど行かなかったら行かなかったでめんどくさいんだよこれが。この前靴隠された。古典的じゃない？』


「……はぁ。」


『後、鞄にゴキ●リいれられた。こればっかしはさすがの私もメンタルがやられそうだった、まあ鷲掴みにして返してやったけどね。』

「…鷲掴みって……先輩なら確かにやりかねませんが……。」


『でしょでしょ。…でも、どんだけやり返してもあの手この手でまたくるんだよね…よく飽きないよね。』


「それをものともしない先輩も凄いですよ。普通ならくじけますし。」


『うーん…そっかな？』


「そうですよ…。（……ポジティブすぎるだろ、この人…。）」


『まあ、なんだかんだでマネージャーの仕事楽しいからね。ちょっとやそっとのことじゃやめる気になれないっていうのが本音かも。』


「………マネージャーの仕事楽しいならさっさと仕事に戻ってください。いつまで俺と喋ってる気ですか。」


『仕事より日吉優先！』


「優先しないでください！」


『レディーファーストがあるように、私には日吉ファーストがあるんだよ。』


「……いりませんよ、そんなの。っていうか、それじゃあまったく意味が分かりませんから。」


『っちぇ。日吉は冷たいよね、いつかデレを見せてくれると私は期待してるよ。』


「……何の期待ですか。」

やめない理由

『（日吉ィイイイイ！何か、上からカブトムシ落ちてきた！新しい嫌がらせだ！）』


「（ちょ…こっちこないでください！何嬉しそうに目をひからせてるんですか、さっさと捨ててください！）」


『（えー、じゃあ木のところに戻してあげよう。）』


「（………はぁ。）」