「ハッピーバースデー謙也!」

「お、花子!覚えとってくれたんか!」

「当たり前じゃん!ってことで、謙也にプレゼントを選択させてあげよう。」

「……っは?」

「消しゴムかイグアナか私か。まあもちろん答えは私でしょ?」

イグアナ。


おしること先輩




ぎゃあぁぁぁあ!花子さん、やめ、やめてください!俺の大切にとっておいたおしるこの缶、片手でつぶそうとせんといてください!まだ一口も飲んでないいいい!」

謙也が誕生日プレゼントの選択で迷いもせずイグアナと答えたことにむかついて机の上においてあったおしるこをつぶそうとしたら超必死な財前が涙を半分うかべながら私を止めに入ってきた。

ああー!マジでむかつく!謙也めえええ!



「っていうか謙也さんも止めぇや!」

「あ?別にええんやないの。誕生日プレゼントに花子なんて貰っても1秒で即燃えるゴミ箱いきや。

「なんだと謙也あぁぁぁあああ!私だって謙也なんて貰っても廃品回収に出すからな!」

「んなもんに出すな!っていうか、お前誕生日なんになんでプレゼント用意せんねん、ふざけんなっちゅーねん!」

「だって今日誕生日ってきいたもん!知らなかったもん!」

「あー!言い訳やー、聞ぃーちゃった、聞ぃーちゃった!せーんせぇーに、言うてやろー!」

「うわ、超むかつく!明日あたり誕生日プレゼント買いにいってやろーと思ってたのに絶対かってやらね。」

すまん、俺が悪かった。誕生日プレゼントほしい。超ほしい。すまん。ほんま謝る。すまんな。」

…………。


なんかもう…この先輩方、嫌や。っていうか、謙也さんなんで土下座しとるん?どんだけプレゼントほしいねん、あーもうええや、俺のおしるこ無事やし。



「はっはっは。思い知ったか、謙也よ。」

「ってことで、プレゼントは消しゴムかってくれ。」

「100均のでいいよね?」

「………お前なめとんのとちゃうん?


なんか…花子さんと謙也さんがバトっとるけどもうええや。
部室からでよう。


飛び火がこっちにまでくるのは凄いめんどい。超めんどい。



「(あー、今日も空が青いわあ。)」




.

..

...





「………お金、すっからかんなんだけど。」

「いやー、ほんま花子ええやつやな!もう消しゴムにかこまれて俺幸せやわ!」

「あぁ、そう…。喜んでくれたならよかったよ、あはは……。」




――後日、今にも泣き出しそうな花子さんと幸せそうな謙也さんを見つけた。あん時の花子さんがあまりにもかわいそうで、なんともいえん感情がわきあがった。



「(……今度、おしるこ買ってあげよう。)」

いくら使わされたかしらんけど、俺も後輩やし、たまには優しくしてやろう。

まあ、簡単に言えば同情しとんねんけどな。あれ?そういえば、俺謙也さんにプレゼントあげてないんとちゃうん?



「(まあ、えっか。)」





―――――
★あとがき

謙也の誕生日夢遅れてすみません。
しかも何コレ、財前落ちみたいな感じじゃねーか。


相変わらずドタバタした文章で申し訳ないです、
おしるこ…おいしいですよね。






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