いつものように机の上でぽかぽかとひなたぼっこをして眠りに入るか入らないかの境地にいる私は、このまま死ぬのではないかと驚くくらいの眠気に現在襲われているのである。
「花子、眠そうじゃのぅ。」
「うん。眠たい。」
「そんな花子には悲報かもしれんが、今日は幸村の誕生日なり。」
「ふーん…って、え?!」
幸村の…誕生日?!
詐欺師の陰謀
驚くやいなや、行動が先。私は5時間目の授業を抜け出してコンビニへ行く。――…えーっと100円玉が1枚、2枚、3枚…。って、3枚しかないんですけどォオオオ!あー、6時間目まで時間もないのに…お金もないって。笑えない。
「どうしよう…どうしたらいい。」
うーんと考えていても時間が減るだけだ。そういえば3月3日ってうめぇ棒を大量に買って業者を驚かせてやろう作戦してたよねー。
「(っは!それを使ってやればいいんだ!)」
.
..
...
「で、この大量のうめぇ棒は何かな?」
「…え?だ、だから…あの、誕生日プレゼントです…。」
うめぇ棒納豆味を30本コンビニで買い占めて教室に帰ってくると、にこやかに微笑んだ幸村が扉の前で出待ちをしていた。――当分あのコンビニへはいけそうにもないなあ。店員さん、めっちゃジロジロ見てきたし。恥ずかしい。
「……誕生日?誰の?」
「まったまたとぼけちゃって〜!」
そういってバシンと幸村の背中を思い切りたたいてやると、その倍以上の力で頭を掴まれました。
「あででで…。はい、幸村誕生日おめでとう!」
そういって、うめぇ棒納豆味30本の入った袋を彼の前に差し出すと、幸村はびっくりしたように目をまん丸にして受け取ろうとはしない。
「………っは?」
しまいには、っは?なんて言われてしまった。どうしよう、やっぱりうめぇ棒が気に入らなかったのだろうか。
「え?あ、もしかしてうめぇ棒が嫌だった?あ、じゃあまた明日買いなおして「っていうか、俺の誕生日明日だけど?」……っは?」
幸村が何を言っているか分からず目をぱちくりさせていると、大体状況がよみこめてきて――。私は幸村に袋を強引に渡すと、そのまま廊下をダッシュした。
「仁王雅治でてこいやああぁぁぁああぁっぁ!」
「(花子をだますのは楽しいなり。ップリ。)」
「(……っていうか、納豆味なんて売ってるんだ…。って、うわ、開けた瞬間から納豆のにおいがひどい…これは学校では食べられないなあ。)」
―――――
★あとがき
分かりにくい文でごめんなさい。
えっと、仁王が主人公に嘘の誕生日を言っていた、ということです。分かりにくかったら本当すみません。
ちなみに自分はう●い棒納豆味大好きです。…昔食べたからかすかに記憶にあるくらいですが、今はどこに売ってるんでしょうか。コンビニには売ってなさそうだなあ。