「おい、なんやこのちっこいやつ。なんか俺とキャラかぶってへんか?」
「え…?そ、そうですか?」
「ユウジ、壇君をいじめるんじゃない。この子は天から舞い降りた天使である。」
「……お前、可愛ければなんでも天使っていうなぁ。この間は金ちゃんとか、そういえば立海におるもじゃもじゃのもずくみたいなんも天使っていうとったなあ。」
「もずくじゃなくてワカメね。」
「うっさい!もずくもワカメも一緒やわ!」
「全然違うから。――ってかあんたと話していると壇君が置いてけぼりになるんだけど。ちょ、壇君大丈夫?空気化しないでね。」
「は…はいです!でも、お二方は先輩なので邪魔しないように観察しているです!」
「っきゃー!可愛い!ユウジと大違い!」
「なんやとゴルァ。」
「まさに月とスッポンだね。ユウジも壇君を見習いなさい。」
「――って、お前何抱きついとんねん。いてこますぞ。」
「や…ちょ、やめてくださいです…!恥ずかしいです!」
「ですますですますうるさい!男は黙って抱かれろ。」
「っひ…!一氏先輩!」
「はぁー…花子、今すぐ壇から離れんと白石よぶで。」
「ごめんなさい。」
「……うぅ、助かりましたです。」
「お前もなー、男なら男らしく正々堂々としぃや。俺みたいにな。」
「ダメ、ユウジはダメ。ユウジだけはダメ、絶対にダメ。」
「俺のどこがダメやねん。イケメンで頭よくてスポーツもできる、しかも関西弁って女の子のドツボつきすぎとるやんけ。」
「いや、もう全部がだめ。」
「真顔で言うなや…!地味に傷つくやろーが!」
「……ふふっ」
「あ、壇君が笑った。」
「……笑い方も女みたいやな。男ならもっと、豪快に笑えや。」
「うるさいユウジ。お前は壇君を見習え、そしてはげろ。」
「何ではげんなんのや!」
「(僕もいつかユウジ先輩みたいになって、花子先輩のような人と並んでも不自然じゃないくらいかっこよくなりたいです…)」
少年の悩み
「(壇君!壇君はそのままでいいからね!)」
「(え?!え、いきなり何の話しですかぁ?!)」
「(やーかーら、もっと男らしくなれ、堂々と胸張れ言うとるやろーが!)」
「(う…一氏先輩、怖いです…。)」