(※某有名な乙女ゲーや、一般のゲームの名前がもじられてでてきます。ゲームについて知らない方にはあまりおススメできないのでご注意ください。)
「あーなんか最近家に帰っても暇だなー。」
「じゃあゲーム貸してあげよっか?」
「お、マジで?お前にしては気がきくじゃねぇか!」
"ゲーム"っていう単語に宍戸が妙にくいついてきた。
ゲームについて語る
「宍戸さ、乙女ゲーとかやんの?」
「乙女ゲー?」
「女子専用の恋愛シミュレーションのこと。」
「やらねぇよ。逆に俺がやってたら引くだろ。」
「うん。」
――宍戸が乙女ゲーやってるところとか想像したらそれはそれで面白いけどね。長太郎に内緒で密告もんだ。
「じゃあ逆にきくけど、お前はやってんのかよ。」
「うん。」
「お前…そこまで精神的に追い詰められてたんだな。」
何を悟ったのか知らないけど、宍戸が哀れんだ目で「そうか…」「気付いてやれなくてごめんな…」などと呟いている。ちょ、握り拳が手前にまで出かけてるんだけど。
「いででででで!」
「え?あ、ごめん、殴ってた。」
「殴ってた。じゃねぇよ!…っひー、いってぇ…マジ女じゃねぇよな。」
そう呟いた宍戸に握り拳を見せたら口を一文字にして黙った。…これからこうして黙らせようかな。うん。
「……ちなみに、乙女ゲーって何もってんだ?」
「禿桜鬼(はげおうき)とかどきばくメモリアルとか。」
「……説明を頼む。」
「禿桜鬼のほうは、新選組の隊士たちが髪の毛を育毛するために戦う話し。めちゃくちゃ感動するよ。」
「……もうかたっぽは。」
「どきばくメモリアルはね、高校3年間を男の子たちと過ごすんだけど、男のこたちのときめきがマックスまでいったらばぐるゲームだよ!」
「二つともろくでもねぇゲームじゃねぇか!どこだよそれ作った会社!ぜってぇ倒産すんだろ!」
「はぁー?乙女ゲーを誇るゲームだよ?」
「んなもん誇るなぁぁぁああぁ!」
「宍戸はうるさいなー。じゃあ宍戸はどんなゲームしてんのさ。」
「……俺は、ぶよぶよとかラケットモンスターとかかな。」
「うわー、凄いメジャーいってるね。」
「お前なんで哀れんだ目してんだ。むしろお前が哀れまれる位置にいるんだよ、わかってんのかよ。」
「ちなみにギャルゲーとかエロゲーはもってないの?」
「……ギャルゲー?エロゲー?」
「あー……まあ2つの違い言ってもめんどいから、用は男性専用の恋愛シミュレーションのこと!」
「ああー、そういえば忍足がやってたな…。なんだっけな、ラブ…ラブって、ついてたけど…。」
「あ、もしかしてラブマイナス?」
「そう!それだ!プラスだかマイナスだかしらねぇけど、なんか忍足がニヤニヤしながら『宍戸、これが俺のネネちゃんやで。』っていってきたのが気持ち悪くてよー。」
「そりゃあグロテスクだわ。」
「だろ?まあ、お前とあんまり大差ねぇけどな。」
「それどういうことだゴルァ。」
「そのまんまの意味だ。」
「……グスンッ。」
「泣いてもかわいくねぇぞ。それよりゲームかせよ」
「宍戸いつにもまして態度でかいね。まあいいけど…。じゃあ、そんな宍戸にはこれをかしてあげましょう!」
「……ん?なんだこれ?"壱(いち)"?」
「そのゲームね、カメラ使ってばんばん敵倒してくんだよ。バイブハザードみたいなもんだと思えばいいよ。」
「ふーん…なんかまともそうなゲームだな!じゃあかりてくぜ、ありがとよ!」
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..
...
次の日。
「田中どこだドルァァアアアアア!」
「どうしたんだよ宍戸。花子ならさっきトイレいくっつって教室でてったぜ。」
「聞けよ向日…!田中の野郎、俺にホラーゲームかしやがった…!おかげで俺は昨日夜中にトイレにいけなかったんだぜ…!あいつ一発ぼこってやらねぇと気がすまねぇ!」
「(…なんだかんだでやったんだな、ホラーゲー…。)」