「いしやーきいもーおいもーおいもー」

トラックのおっちゃんがだらだらとそんな音楽を流しながら
私と白石の目の前を通過した。

「花子、芋やで。」

「芋だね。」

石焼陰毛やで。

最低。

石焼芋


「あだだ…ほら、
 買ってきたから機嫌直してや」

「女の子の前で陰毛言うか、普通」

白石がトラックを追いかけて、
芋を買ってきてくれた。

…あっつ、ほかほかする。


「…じゃあ、なんていえばええねん」

「何でそういう話しにいくのかな、いつも。」

「ええやん、俺下ネタ好きやもん!」

そんなことは知ってるっつーの。
けど、白石の下ネタは本当半端ない。

「……っていうか、お芋食べよ、おいも」

「せやな。石焼チン毛食べな冷めたるもんな」

やめれ。マジでやめれ。

なんだか涙目の私。
……うぇっ。

陰毛だのチン毛だのいわれたせいで、まともに石焼芋食べられない。

……これも全部、こいつのせいだ。


「なんや、芋食べんのかいや」

「アホ。あんたが下ネタ持ってったから食べられないだけだっつーの。」

「ふーん…なら、俺がいただき!」

そういって、
自分の手に握られている芋をほったらかして私の芋にかぶりついた白石。

バシンッ!


「あいだ…!あかん、何でいっつも俺の頭叩くんや!」

叩きたくなったから。

……白石は全然そんなこと思ってないだろうけど、
今の…間接チュー…なんだよね。

この男、易々と私の間接ちゅーをもっていきよって。


「…好きな子とそういうのやれっつーの」

「ん?今なんか言った?」

「何もいってないし。」



きっと、
この2人がお互いの気持ちに気付くのはまだまだ遠い未来の話し。



―――――
★あとがき

ヒロインがツンデレっぽくなった。
っていうか、
これ書いたきっかけが石焼芋のトラックが家の前を通り過ぎてったことがきっかけですね。

…今の暑さで食べたくないかも。





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