(※ここからはもっ●学園祭の王子様ネタになります。ゲーム未プレイの方は注意してください。なお、ヒロインの性格がかなり変わっているので注意。)
「…ふん。15分遊んでやったことに気づかねぇとは、俺様の足元にもおよばねぇな。」
「んだとゴラァ!…はぁ、はぁ…っ、逃げ…んじゃねぇよ!」
ことの発端は切原君が跡部先輩に仕事を放り出してゲームをふっかけたことだった。…最初は、真田先輩をよんだほうがいいのだろうか…と困惑していたのだが、そんなことをあーだこーだ考えているうちに試合が始まり。『15分で片してやる。』とか強気な発言をしていた切原君だったのだが、15分たったのに跡部先輩は汗一つすらかいてない。
それを審判していた忍足先輩は、「これで勝負あったやな。」といって切り上げようとしている。
じわじわと、充血していく切原君の目。
やり返し
「よし、いくぞ忍足。」
「はいはい。…ほなな、赤目君。」
「――…っ、んだよ!逃げる気かよ!」
イライラモードが頂点へ達したのか、切原君はラケットを地面に叩きつけた。
それを見て、跡部先輩が足を止める。
「……おい。ラケットの使い方を間違えるな。」
「…なら勝負しろ。俺との決着がまだだろーが」
「……あーん?どの面下げてそんなことを言ってるのかしらねぇが、負けたやつには興味ねぇ。…それに、負け犬の遠吠えはみっともねぇぞ。」
そういって鼻でふっと笑う跡部先輩。
…あぁ、何故挑発した!
怒りで満ちた切原君の表情。ここは私が止めるしかないよね。
「切原君!」
「……あぁ?…なんだ、てめぇ。邪魔だ、すっこんでろ。」
「…おいおい。女の子にそんないい方はないんとちゃうん…?」
「うるせぇ伊達眼鏡!お前もすっこんでろ!」
「………っぷ、忍足、伊達眼鏡だとよ」
「…うるさいわ、跡部。繊細な俺の心に傷がついたわ。」
そういって真剣に傷ついている忍足先輩。
…ご愁傷様でーす。
「切原君、これ以上の試合はダメだよ。
真田先輩にも言われてるでしょ?大会前に他校との練習試合は一切するなって。」
「あぁ?――そんなの律儀に守ってられるか。
今しかねぇんだよ、こいつを倒すには」
「切原君!」
私が声を荒げると、切原君も負けじとキッと私を睨んできた。
「うるせぇな!部外者は、ひっこんでろ!」
――パシィンッ!
ゴンッ!
「……あ、せ…先輩…?」
「!花子ちゃん?!」
「花子――!」
私は切原君に顔をぶたれると、運悪くテニスコートのポールに頭を打ったのだった。
…いたたたた。
半端ない、涙でそう。
「せ…先輩、すみませ…俺、つい…」
「切原君。お前えええええええ!」
「え?う、うわああぁぁあああぁぁ!」
「私の痛みを知れ!ジャーマン・スープレックスウウウウウウ!」
「ぐはぁっ?!」
その後、花子も切原も仲良く医務室へ行ったらしい。
切原君いわく、「先輩のジャーマン・スープレックスは真田副部長の鉄拳より恐ろしかったっす。もう二度と逆らいません。」と語り継いでいるらしい。
「花子先輩ぃ……」
「ん?どしたの、切原君。」
「……もう二度とあんなことしないっす。
だから…ジャーマン・スープレックスは二度としないでください。」
ジャーマン・スープレックスが弱点の切原だった。
―――――
★あとがき
……。