ある日、私がせっせと洗濯物を洗っていると部室から大きな声が聞こえてきた。








「ウルトラマンコスモスゥゥウウウ!」



「……あぁ、またお前か。」

いやもういいんだ。慣れたしいいんだ。
でもあれだ、白石いっぺん川で溺れればいいのに。



下ネタ大会




「……で、なんの騒ぎ?」

ぎぃーっと扉を開くとそこには白石が自信ありげにどや顔をして座っていた。他の部員も同様に円になって座っている。

うわー…私がせっせと洗濯物をとりこんでいる間にお前らはなんだ、しりとりか?しりとりをしてるんだな?




「あら、花子ちゃんもやる?」
「あー…結構。それより、部室から卑猥な言葉が聞こえてきたような気がするんだけど。それも結構なモロ語がね。

「気のせいやろ。それより、ほら謙也やで」

そういうと、謙也は何故だか顔を真っ赤にして恥ずかしそうにモジモジしている。




ただのしりとりじゃなさそうな雰囲気なんだけど、なんだろ…?



「花子おるやん…俺、無理やあ…、」

「謙也さん乙女っすか。きもいっすわ。」

「な!なんやと、財前んんんん!お前はいえるんか!」

「言えますよ。チンチン電車。」

ぎゃあぁぁぁあ、財前いいよったあぁああぁ!花子の前でも冷静な顔で言い寄った、何やこの残念なイケメン…!」

お前も残念なイケメンだよ、謙也。
下ネタてきな意味じゃなくて、へたれてきな意味でね…!



「あー…もしかしてまたやってんの?下ネタ用語大会。」

「すっかり公認なっとるなあ。あ、謙也言えんようならユウジいってええで。」

「おん!バイブ!」

「………………。」

あぁ、どうしよ。
ユウジまで変態色に染まってる。あぁ、やだよやだよなにこの部室マジこいつら頭いってんじゃねぇのっていうか本当お前ら部活しろよっていうかなんだよこの雰囲気私女だよ女いるんだよボケッ。

言いたいことがたくさんあってまとまらないが、とりあえず部室からでることにした。





「(こういうのは関わらないほうが吉。)」


っていうか、関わりたくないのが本音だったりもする。めっちゃめんどくさいじゃん…!




なーんて思っていたら大間違いなのでした。




「あ、花子逃げんよな?」


そういって、白石に腕をガシッとつかまれる。
いやいや逃げるも何も、
関わりたくないし…!

特に白石、お前と一番ね!




「……実家に帰らせていただきます。」

「却下。はい、千歳かもーん」

ぎゃあぁぁぁぁああぁぁ!千歳離せ、離せえぇぇえぇえ!ってどこ触ってんの?!」

「ん?胸。」

「しばいていい?マジしばいていい?いやいや、分かった、逃げないからやめて!」

そういうと、千歳と白石から解放される。……マジで死ぬかと思った。ただでさえ千歳は体がでかいんだから、捕まったらもう逃げられないと覚悟したほうがいい。




「……つるぺったん。」

千歳今なんかいった?

「なーんもいっとらんね。」


今聞こえた単語は聞こえなかったことにしよう。幻聴だ。





「――っていうわけで、再開や下ネタ大会〜!」


「「「「ふぅ〜!」」」」

盛り上がってるのは一部だけで、
例外も少なくは私の周りにはいた。



「……銀さん、ついていける?」

「……うぬぅ。」

「(マジかよ…。)」

いや絶対銀さんついていけてないよ。銀さん気付いてないだろうけど、頭の汗凄いもん。ついていけなさすぎて汗ばんでんじゃん、本当に大丈夫かよ…。

そう思いながら、その隣の小石川にも声をかけてみる。



「小石川はどう?」

「ん?あー…まあ、分かるといっちゃ分かるけど、あんまそっち系の話しは…」

そういって苦笑いをする小石川。
こいつ…わかる!



「そうだよね、小石川!下ネタばっかいうやつらなんかいやだよね!」

「え?あ…お、おん?」

「なんやと?!下ネタの何がダメねん!」

とりあえず白石黙れ。っていうか白石がダメなんだよ。」

「えぇー、酷いわー」

「まあ部長きもいっすもんね。」

「ななな…!」

「――まあまあ、みんな蔵りんいじめちゃだ・め・よ」

そういって隣のユウジに「ね?」と微笑みかける小春。
その瞬間にユウジは満面の笑みで照れながら「小春ぅぅうう!」と抱きつこうとしたのだが、見事に小春がそれをよけてユウジは壁とぶつかり撃沈した。

…なんたる飴と鞭。

小春怖いよ小春。




「…それより、下ネタ大会やるの?」

「なんや、花子も混ざりたいんか?なら入れや入れやー」

そういって白石にグイグイ腕を引っ張られる。
ちょ、ま…!私やりたいなんて一言もいってないし!

つーか、いい加減こっちは帰りたいんじゃボケッ!



「はい、花子参戦!
 じゃあ、花子から下ネタいってこうか!」

「え、マジで?」

「大マジやけどな。」





「じゃあ、象さん。」



「何やその可愛らしい言い方は。
 正直にチンk「帰ろうか、白石。」そうやな、象さんも下ネタや!」

白石の腕を地味につねると、白石があたふたと慌てた。
…なんだ、こうしてたら可愛いじゃんか、白石も。

なんて思ったのが間違いだった。





「じゃあ、俺いくで!バイブル!」

「「「「「「「…………。」」」」」」」



――その時みんな悟ったのだった。












「(あぁ、白石は試合中に下ネタいった時のみんなの反応が見たいだけなんだな。)」

と。


じゃなきゃ、試合中に絶頂だのバイブルだの叫びません。審判もビックリでレッドカードだすよ、これ退場もんだね。





「………?なあ、白石、
 バイブルのどこが下ネタなーん?」

そういって不思議そうな顔をする金ちゃん。
ほらね。

白石が何かいうと必ず金ちゃんがひっかかるんだ。金ちゃんには純粋なままでいてほしいのに…!


「あー、金ちゃん。バイブルは下ネタなんや。」

「えー?」

「ま、しいていえばおもちゃみたいなもんや、っはっはっは。」





――全員失笑。

笑えません。




「…ってなんやお前ら、そのドン引きした目。」

「いや、白石が悪いんじゃん。」

「なんやと花子〜!っちゅーことで、まあ下ネタ大会再開やあ、あ、小春はやらんの?」


「私はいいわ〜。女の子や・か・ら☆」

そういってきゃっという小春に対して、ユウジが「さすが小春!これこそ清楚女子」と叫んだ。

…もうわけがわからん。





「……私帰っていいですか。」

「あかーん!今日はにがさへんで、花子!」






どうやら、下ネタ大会はまだまだ続くようです。




―――――
★あとがき

暇さえあれば続編書いていこうと思います。
こういうの、楽しい。←




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