「ユウジ!ユウジィィイイイ!」
がばっとユウジに抱きつくと、子供ユウジがビックリしたようにわっと声をもらした。
「お、お姉ちゃん…誰ぇ?おれ、おねえちゃん知らんでぇ」
「お姉ちゃんじゃなくて花子でいいよ。…ユウジ!めっちゃ可愛いいいいいい!」
もう、理性ぶっとびそう。自分ショタコンじゃないけどこれはやばい、凄いやばい!
番外編-ユウジが子供に?!-
「何や。ユウジもちっちゃなったら案外かわええやん。」
そういって白石がこちらへよってくると、ユウジの頬をぶにっとつっついた。
ガブッ。
「ぎゃあぁぁああああ!噛んだ、このガキかみやがったあああ!」
「……え、ユウジ?え?」
「おれ、わるいひとみかけたら噛むねん!あれわるいやつやろ?おれ、今せいぎのみかたや!」
そういってユウジがえっへん!と胸を張る。…小さいながらに、正義の味方なんて。悪い人を倒そうとしてるなんて、なんていい子なんだ!
「そうよ。あれは悪い人よ。」
「お前何嘘ついとんねん!くっそ〜このガキィ…っ、今すぐこのマツタケで元に戻し「ちょっとタンマッ!」
そういって白石を止めると、私はユウジを抱きかかえた。
「も…もうちょっとだけ!もうちょっとだけ、子供ユウジと遊んでいい?」
「……はぁ?そんなガキ、今すぐ張り倒したれ。」
「なんてむごいことを…だから子供ユウジに嫌われんだよ。」
「わるかったな。」
白石を説得したおかげで、1時間だけ子供ユウジと遊べることになった。
きゃっほーい!子供ユウジばんざーい!
「じゃあ、ユウジ部室いってあそぼっか。」
「おん!」
「(何で花子にはなついて俺には懐かんねん。くそ、ユウジ覚えとれよ。)」
.
..
...
「ユウジ、何してあそぼっかー。何かしたいものある?」
「おん!おれ、かくれんぼがええ!」
「ちょっと部室では無理かなあー。」
せいぜい隠れれても、ロッカーとか机の下とかくらいしかないし。
「…あ、トランプとかどう?」
「おん!やるやるぅ」
私は自分のロッカーからトランプを取り出すと、トランプをきってユウジと自分に交互にトランプを分けていく。
「花子ー、なにすんのー?」
「え?ババ抜き。」
「ふたりでやってもおもろないやーん!」
そういってグズグズしはじめるユウジ。ううーん…じゃあ、神経衰弱とかのほうがいいのかな?そんなことを考えていると、部室が開かれた。
ガチャッ。
「……花子さん、これは…?」
「あー、これ?ユウジ。」
ユウジのことをこれ扱いしているのは財前。
…財前は驚いたように目を見開いてユウジを見ている。ユウジはそんな財前のことを警戒して、ガルル!とうなっていた。お前は犬か!
「…なんや、俺えらい嫌われとりますやん。」
「いやあ、なんか子供ユウジは悪を倒そうとしてるらしい。」
「花子ー!こいつあかん、これさっきのやつの下部やろー?」
さっきのって…白石のことだろうか。
「いや、下部とかじゃないよ。あ、でも確かに下部だわ。」
部長と後輩っていう関係上、下部だね。
ユウジあながち間違っちゃいないよ。
「……はぁ。なんかよぉわかりませんし、俺でてい「ちょっと待った!私達とトランプしよ!」
「……はぁ?」
そういってめんどくさそうな顔をする財前。
「いいでしょ?ね、お願い!」
「………。花子さんがそこまでいうなら、」
そういって財前は私の隣の席に座る。すると、子供ユウジが私達を指差して「お、おおおおまええ!花子のとなりは、おれだけやから、だめぇ!」といって怒り出した。
なんだそりゃ。
嫉妬か。子供ユウジに嫉妬されちゃった!めっちゃ可愛い!
「よし、財前。ユウジと場所かわりなさい。」
「……注文多すぎるやろ。」
「口答えしない!」
渋々財前は、ユウジと場所を交換する。
「わーい!花子のとなりやぁ!」
そういってにっこにこな顔をしているユウジが可愛くて仕方ない。
…子供ユウジもありだな。
「花子さんにやけすぎっ。」
「え?そうかな?」
「かなりにやけとるし。きもいっすわ」
「うるせぇー!…よし、じゃあババ抜きやるよー!」
「おおー!」
そういって、子供ユウジが大きく腕を上にあげた。