ちゃぽーん…。
「……今までの、何だったんだろ…」
そんなことを考えながら、腰を触った。…くそ、この歳で腰が痛いとは…!でもこの露天風呂、腰痛に効くらしいし今の自分には神様のように思える。…それに、ユウジがくれた湿布がまだ残ってるし、お風呂からあがったら湿布はろう。
「(絶対白石に湿布臭するって言われるだろーなあ。)」
湿布臭
「くん!くんくん!」
「…どうした、白石。何かあんね?」
「おう!湿布の匂いがする!」
千歳と白石が廊下を歩いていると、たまたまどこからか湿布の匂いがして妙に反応する白石。当の千歳はというと、呆れたように先を歩いていってしまう。
「…ついてられんばい。俺は先に部屋へ帰って寝るたい」
「っふ。…千歳、残念やな、お前にはこの湿布と甘い香りに気づけんようや」
「きもい。」
バタンッ。
…おーおー、なんや千歳。
あいつ、このイケメン(自称)とよばれる俺にむかってきもいやと?…っふ、後悔するがいいあのモジャモジャの鳥の巣よ。……この湿布にあわさった匂いに気づけんお前は俺という神々の膝元にひざまずいtバンッ!
「あれ?今なんかぶつかるような音がしたけど気のせいか。」
「んー?なんかおった?
気のせいやろ、はよアイス食べたいアイス〜!」
「はいはい、じゃあ今からコンビニいこっか。」
なんか妙な感触がしたけど気のせいだよねー。あはは。そう思い扉を閉めると、扉を開けたと思われるところに白石が壁に張り付いていた。
…どうやら、私が扉をあけた瞬間に白石ごと潰してしまったらしい。ご愁傷様です、白石。
「花子?どうかしたん?」
「ん?どうもしてないよ、ささ、いきましょ」
「って、待たんかい。行く前に言うことあるやろ。」
「…南無阿弥陀仏」
「何でお経唱えんねん!」
「あ!白石やん!白石もアイス買いにいくぅ?」
「おう、いくで金ちゃん。」
「……え、白石来るの?」
「お前なんやその言い方。明日の部活、お前もしごいたるから覚悟せぇよ」
「ぎゃー。」
ガチャッ。
扉が開いて、ユウジがでてきた。
「おー、花子と金太郎!…と変態もおったんか。」
「おう、ユウジ。花子の安全は俺が守ったらなあかんしな!」
「お前の存在が一番危険やわ。」
「……そういえば、何で白石が私の部屋の扉の前にいたの?」
「それはな、湿布のええ香りがしたからや!」
「やばいガチきもい。誰か警察よぼう。」
「せやな。」
「ふはは。お前らしばく。」
…アイス買いにいく約束してたのは、金ちゃんとユウジとだけだったのに、なんかもう一人お邪魔虫がついてくるらしい。私の湿布の香りに誘われたからだのあーだのこーだの言っているがそれはもう全力で無視しよう。
「花子は何アイス食べるつもりなん?」
「んー、無難にバニラ。ユウジは?」
「俺もバニラにしょーと思ったけど、チョコにするわ。半分こせぇへん?」
「あ…うん、いいよ」
まあ、ユウジがいるから誰がついてこよーが関係ないと思う私であった。