…そんなドタバタがあった昨日だが、
ふっはっは!それも今日でおさらばさ!
「よし、ユウジいこう!」
「ほな、いくで花子!」
――今から私とユウジでマツタケの捕獲を行いたいと思います。
四天を野菜で表す
「……ふへえー。マツタケと、あの妙なきのこ、写真で比較してもめっちゃくちゃ似てるね。」
「せやなぁ。…まあ、妙なきのこのほうは少し黒ずんどるぐらいやなあ。」
「…それだけしか違いがないもんね。」
マツタケの捕獲。といっても、山へ行くわけではございません。
えぇ、もうマツタケと間違えてあんな大惨事になったんだからね!同じことは繰り返さないですからね、私!
「…せやけど、スーパーってめっちゃ遠いなあ。宿から3・4キロは離れとるで。」
「え、そんなに?半端ないね…。」
宿から一番近いスーパーでマツタケ狩りを行いたいと思います。…それが一番信頼できるしね、自分達でとったらまた幼児化しちゃうかもしれないからね。
そこまで私もユウジも馬鹿じゃないんだよ。
「これは、バスより電車のがええで。」
「おっけー。じゃあ電車のるか」
そういって電車にのってゆらりゆられること20分。
「着いた着いた、目の前にスーパーあるで!」
「あ、本当だ!やったね、ユウジ!」
そういって喜び合う私達。――早速スーパーへいってマツタケを探してみる。
「あ!あった、マツタケ!」
「ほんまか?!でかした、花子!」
うは…やっぱりマツタケは値を張るんだなあ。でも彼らをこのまま子供にさせておけないし、お買い!
「なぁ、花子。頼みあんねん。」
「…ん?どしたの?」
「………オクラ食べたい。」
「……………。」
ユウジ…。めっちゃどうでもいい…。
「よし、帰ろう。」
「っておいおいおい!人の話しきいとらんやろ!」
「いや、聞いてますとも。え?
イクラ食べたいって?」
「オクラやって!」
「……はいはい、分かってますって。」
そういってオクラを嫌々カゴの中へいれる。…なんだろう、オクラ見てるとわさびに見えてくるのは私だけなんだろうか。
「…あ、大根だ。」
「大根がどないしてん。」
「え?いや…ユウジに似てるなぁ…って…」
「お前どういうことや。後で尋問な。」
「えええええ!嘘うそ、ごめん、嘘!」
別に似てるとかそういうわけじゃなくて、ただ目についただけなんだよ!ごめん、ユウジ!
「はは。…あぁ、このトマト。この可愛らしさが小春みたいや…。」
「………。」
「お前なんか反応せぇや。」
「あ、そうだね。」
「うわー…反応薄っ、お前はパセリやな。」
「え?どういう経緯で私パセリ?いや、まあ別にいいけど…」
そんなジャガイモとかいわれるよりまだマシだと思う。
「お、これなんか財前やと思わん?」
「あー…ピーマンね、確かに分かるかも!」
「んで、こっちの黄色いパプリカとか謙也やん!」
「ぶは!本当だ、謙也だ謙也!」
――ちょっとした買い物だけで盛り上がる私達。
…本当にお嫁さんになれたら、こんな会話、いつでもできるのかなあ。
って何妄想にひたってんだ私!
「なぁなぁ、このもやし――…って、きいとるん、花子」
「え?あ、ごめんごめん、聞いてるよ!」
「…なんや、ぼーっとしとんなや。
このもやしとか、小石川やと思わへん?」
「それ、小石川が聞いたら激怒すると思うよ。」
なんかユウジがそう思う気持ちも分からなくはないけどさ…!