02



「――買い物終了!」

私とは別次元の買い物が終わりました。…値段は怖くて聞けないんだけど、軽く20、30万はこえているような気がする。


「…お金は、働いてから返すね」

「あーん?そんなこと気にしてんのか。んなもんいらねぇよ」

「いやいや返します!ちなみにいくら?」

「57万8000円だ」

「…………。」

おい、何不細工な顔してんだ。お前は気にしなくていい」

「え、でも――」

「…俺様が、貢いでやるっていったんだ。ならお前が返金する義務はないだろ?」

「………」

「納得いかねぇってか?贈り物だとでも思って、とっておけ。」

そういって、跡部が私の頭をくしゃくしゃになでる。
…そんなこといわれても、そんな高額なもの生まれて初めて贈り物された。


もし私はテニプリの世界にきて、跡部に出会ってなかったらどうなっていたんだろうか?

宍戸とかだったら、確実に家から追い出されそうだし。
岳人とか親うるさいからとか言って無理とかいわれそうだし、日吉も道場だから家に人をとめるなんてもってのほかなんじゃないかな。


…そんなことをトータルすれば、跡部でよかったのかもしれない。



「ありがとう、跡部」

そう呟くと跡部がふっと鼻で笑った。




「…あぁ、どういたしまして。」



――氷帝のキングの裏の顔を知ってるのは私くらいなんだろうなあ。
俺様で傲慢な態度ばかりとってるんだけど、こんなに優しいことは私だけが知っている。


なんだかそれが少しだけ優越だと思った。




「(あ、跡部、ちょっと止まってくれる?)」

「(あーん?どうした?)」

「(そこに捨て猫が!)」


洋服選び





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