03



「えぇー、では…みなさん、生徒を…紹介、します…」

そういって教室の前で待機している私。
禿田先生はただでさえ幸薄そうでひ弱そうな外見しているのに、性格も暗くてなんだか外見のまんまだと思った。

けれど中身はしっかりして、いい先生なのかもしれない。


「田中花子さんです…、田中さん…はいってください」

「は…はい!」

禿田先生の指示もあり、私はがらっと教室をあけると大きな拍手をうけながら中へ入る。


ドキドキドキッ。

卵とかトマトとか投げられるんじゃないだろーか。
今朝の件もあったし、やばいなあ…。そんなことを思いながら入ったが、案外みんな私のことをすんなりと受け入れてくれたみたい。




「よっす!お前跡部のいとこなんだろ、よろしく!」

「(ぎゃー岳人じゃん。)よろしく」


なんてまともな人物と一緒なクラスになったんだろうか…!
よかったよかった、私本当に今のこのクラスでよかった…!



「えっと…自己紹介を、」

先生にそういわれ、私は壇の上にたつとクラスのみんなの顔を見渡しながら言った。


「転校してきた田中花子です。
 よろしくおねがいします」


パチパチと沸き起こる拍手。
…このクラスでよかった!

今だから言えるけど、跡部のクラスじゃなくてよかった…!




「はは、席となりなんて奇遇だな」

席へ座ると、岳人がニコニコしながら話しかけてきた。
私運いい!岳人の隣とかめっちゃ運いい!


「そうだね、奇遇だね」

「俺の名前は向日岳人。岳人ってよんでくれてかまわねぇから!」

「(知ってるけどね。)私のことは花子ってよんでくれてかまわないから」


なんだか私、いけそうな気がしてきた…!




「(…この調子で友達もできたらいいのになあ)」


なんて溜め息をついたりもした。


登校初日



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