「花子〜〜!!!!」
「ぎゃあぁぁああぁぁああ!」
同じクラスの白石に抱きつかれ、
全身の産毛がたつのを感じた。
ぞわわわわ…っ!
誰かこいつを止めてくれ…!
スキンシップじゃなくてセクハラです
「……最近白石君かわったよね…」
「王子様みたいだったのに…幻滅したよね…」
そういってボソボソ喋っている女子達の声が私の耳にまで届いてくる。
…お前ら、
他人事みたいに…!
「なー、花子」
「なんじゃい、離れろ。」
「やーや、離れんもんっ」
そういってぎゅっと私のことを正面から強く抱きしめてくる。
あー…前行きたいのに前通れないよ。
毒手が邪魔で通れないよ。
「花子、俺の腕にかもんや!」
「もうカモンしとるがな。」
「あ…ほんまや、蔵たんったらてへっ☆」
――その場にいた誰もが
白石に冷たい視線を送ったのだった。
…まあ私も例外ではないのだが。
「っていうか何でいつもいつも私にひっついてくるの?」
「だってかわええから。」
「意味わかんない。
あんた今『トマトは赤いからトマトや。』っていってるのと一緒だからね…!」
「えー、そういう例え使う花子のがわからへんわ」
そういって、
頭に「?」の一文字を浮かび上がらせている白石。
こ い つ … !
なんかこいつにバカにされるのは妙に腹が立つ。
私のほうがまともなんだよね…?
何で私のがバカにされてんの…?!
くっそー、白石嫌い!
「もー、ひっつかないで!大嫌い!」
「嘘つけ、大好きなくせに」
「あんたこんなに嫌がってるのにまだそれを言うか!
くそ、消えろ、このボケナス!」
「あぁー、ツンデレな花子もたまらん!
もっと!もっと俺をいじめてー!」
「もーやだ、誰これー!
謙也ー!誰か謙也よんでー!」
「花子大好きー!」
「ぎゃあああぁああぁぁああぁあ!」
「(堪忍な、花子。白石の愛情は異常やから、ええ加減諦めたほうがええで。)」
謙也は教室の扉の前で静かにお祈りすると、
他の教室へ向かうのだった…。
―――――
★あとがき
見たのか?これを見たのか?←
変態白石が暴走するのが大好きです。
ヒロインがぎゃーぎゃー言ってるのを見て、
喜ぶ白石が好きです。
そこらへんはSな白石。
「カス!ぼけ!」いわれ、ヒロインからツンデレを感じもっといじめられたくなるMな白石。
全部愛してあげてください。←