「きた…私、きたで!」

沖縄到着やああぁぁあぁぁあ!

えぇっと、携帯携帯…。

「…あぁ、なんやこの汗。
 さすが沖縄、熱帯地域やなあ」

私は汗をTシャツでぬぐうと、
ポケットから携帯をとりだしてパシャリと綺麗に光る砂浜と海を撮影して白石宛に送りつけた。



送信者:花子
件名:見てみて!
―――――――――
ほら海だよ、
羨ましいやろ!
―――――――――


送信…っと。
ぼーっと綺麗な砂浜を見ていると、
ほんの1・2分で返信がかえってきた。

あいつら…ほんま暇人やな。
っつーか部活しとるんかな。

いろんな意味で心配なってくる。




送信者:白石
件名:Re:見てみて!
―――――――――
どちら様ですか?
―――――――――


「………その返しは、ないわ」


おま…ボケるんじゃなくて普通に返信返せよ。
――まあ、そこがやっぱり四天宝寺のいいところで、
私はそんな中学にいれたことを誇りに思っている。




「(沖縄かあ…比嘉中ってどんなところだろ、)」

願わくば、クーラーがついていますよーに!




沖縄めんそーれ!



「あ!おったおった、
 やーがわんのお隣さんの田中花子さんだばぁ?」

そういって手をふってかけよってくるのは、
茶色い髪の毛の少年。

…心なしか、
両サイドの髪の毛が犬の耳みたいにパタパタとしている。




――私は父の仕事の都合で沖縄へくることとなった。

父も母もみんな先に沖縄へいってしまい、
私だけ少し遅れてきたのだった。

…だって、四天宝寺とのみんなとはちゃんとお別れしたかったからね。




で、で!だ。


お母さんからきたメールでは、



送信者:お母さん
件名:件名なし
―――――――――
お隣さんが迎えにいくから
安心してついていきなさい。
―――――――――


やもん!
うわー、ほんま適当やー。

変な親父きてもほいほいついていけばええんか。



…と、まあそういう冗談はさておきとして。






「……え、えーっと、あなたは?」

「あー、わんは甲斐裕次郎。
 裕次郎でいい。やーの名前は?」

「私は田中花子言います。
 大阪四天宝寺からきました、よろしゅー!」

そういって手を差し出すと、
彼は困ったように首をひねった。


「よ…よろしゅー?」

「……えっと、よろしくって意味」

「あ、あぁー!わっさん、大阪弁は苦てぃーばよな。(ごめん、大阪弁は苦手なんだよな。)」

「(…………あかん。
 この人何いっとれんろ。)」


やばい…やばいぞ、この状況。




「(お互い方言同士だから会話通じねー!)」


「ゆたしく、花子。
 (よろしく、花子。)」




そういってお互い手を握り合ったが、
…私こんな人と家がお隣同士で大丈夫なんやろか。


っていうか、他の人もみんなこんなんやったら私ついていけんやんけ。





「(はぁ…なんか四天宝寺のみんなに会いたいわあ。)」

なんて小さくため息をついた。


―――――
★あとがき

新連載は比嘉中でいきます。

めんそーれとはいらっしゃいませって意味です。
沖縄弁っておくが深い。



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