「――大変や、大変や!
 俺らのクラス、めっちゃかわええ先生が入ってくるっちゅー話しや!」

そういって、謙也が慌しく教室に入ってきた。

先生がきました



「かわええって…謙也見たん?」

「いや…まだみとらへん。」

「それで不細工やったらどないすんねん、100万円払えるんか?」

「何でそうなんねん!」

白石ともめている謙也をよそに、
ユウジと小春は机をくっつけてお絵かきタイム。

「小春〜、俺がかいた小春むっちゃ似てるで!」

「ユウ君、それただのナミヘイやん。
 あんたサザエさんなめとるやろ」

「な…!なめてなんかないで、そんなことあらへん!」


――そうやって、
慌てているユウジをよそに金ちゃんはというと。


「先生、食べ物くれる人やったらええなぁ!」

「それは無理ばいね」

「うぬぅ」

「………ハハッ。
 俺の存在に気付いてくれる先生やったらええな」

そういって、小石川の発言にその場にいた誰もが同情した。



「「「「「「(可哀想やな、小石川…。)」」」」」」



と、その瞬間に
ガラリと開く扉。


――その場にいた誰もが息を呑んだ。



「………って、財前やないかー!
 お前フェイントかけんなや!」

「別にフェイントなんてかけてませんけど。
 …俺の後ろ見てください」

そういった財前が親指で後ろを指差した。

――その方角をみると、
そこには黒いスーツをきた女の人がチョコンと立っていた。


「(……財前がでかくて見えんだ。
 ってか…別に可愛いわけやないやん。)」

なんや、想像してたのと全然違ったわ。
謙也のやつ…ほんましばいたる。


「っわー、財前ありがと。
 はい、とりあえず出席とるんでみんな座って座ってー」

そういうとがたがたとみんなが席につく。
――まあ新しい担任がどうであろーとどうでもええねんけどなあ。


「(何で財前、先生と一緒にきたん?)」

「(何か廊下で迷ってたから連れてきはりました。)」

「(……っは?)」

道で迷ってた?

ちょ…こんなん担任でほんま大丈夫なんかいや。




「えー、みなさん始めまして!
 田中花子です、趣味は寝ること!
 好きな食べ物は梅干とかりんとうで、
 座右の銘は食べたら寝るです!
 よろしくねー!」


あぁ…。

俺らの担任、こんなんで大丈夫なんやろーか…。





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