「ははは、浪速のスピードスターやっちゅーねん!」

そういいながら俺は自慢の脚で廊下を駆け上がる。
廊下って最高!こんな長く作ってくれて、感謝やわ!

神様は俺のこと、愛してくれとるんやな。
廊下なんてつくってくれて!


「って、忍足ぃぃいいい!われなにしとんじゃああぁぁ!

「あ。」

あ、花子先生に見つかってもーた。

少年Oと廊下



「あんたさ、これ注意するの3回目だよ、3回目。
 仏の顔も三度までって言葉知ってんでしょ?」

「……せやけど、花子先生。
 廊下見たら走りたなるやん?!」

それはお前だけじゃあああぁああい!

そういって、私は勢いよく忍足の首に腕を巻きつけた。


「ぎぎぎギブ!花子先生ギブアップやって!」

「じゃあ謝れ。今すぐ廊下に謝れ。」

「って、廊下に――?!んなあほな!」

そんな会話をしていると、
他の先生方がこっちを見てクスクス笑っていた。

…なんやねん、今の話しのどこがおもろいねん。


「……あー、もういいから。
 反省文ね、忍足!」

「えー」

「えーじゃないの!はい、私の目の前で書くっ!」

「……花子先生酷いわー」

親よぼうか?

「すんません、俺が悪ぅございました。」

そう素直に謝ると、
花子先生の隣の机に座ってカリカリと反省文をかいていく。

はぁー…廊下入って反省文ってどんだけかっこわるいっちゅー話しやねん。

まあ、金太郎なんて
早弁して反省文くらっとったもんなあ…それとたいしてかわらへんやろ。



「…っていうか、忍足ってさ」

「ん?」

「何食べたらそんなに足早くなるの?」

「先生何いうとるかさっぱりわからへんねんけど。」

それ、食べ物をきいとるんか
足の速さの秘訣きいとるんかどっちかにしてや。


「いや、あはは。
 まあ、これでも褒めてるんだよ」

「……まあ、走るの好きやなかったら無理っちゅー話しや」

そういうと、花子先生がニッコリと微笑んだ。


「……走るの、好きなんだね」

「え?あ…お、おん………っ」

え、なんやいまの笑顔。
思わずときめ…え?!

ときめきなんて感じてもうたん、俺――?!


「はい、謙也反省文の手とまってるよー。
 ってことで、もう一枚追加〜!

「…………。」

やっぱ、花子先生にときめきなんて感じへんわ。

くっそぉ、
反省文なんてもうかきたないっちゅーねん!



「(あー、面白い面白い。
 っていうか、忍足足だけじゃなくて字かくのも早っ)」





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